米国感謝祭週間の早仕掛け競争激化模様
アメリカ小売業界。
好調企業はいずれも、早仕掛け・早仕舞い。
明日11月28日がサンクスギビングデーの休日だが、
この日は日本でいえば正月元旦のようなもの。
そのまま、日曜日まで連続休暇だし、
州によっては、あるいは企業によっては、
前日の水曜日から休日、休暇にする。
サービス精神の旺盛な州や企業は月曜日から休みにしてしまう。
だから一般に小売店は、サンクスギビングデー当日には休業して、
翌日の金曜日の「ブラック・フライデー」に備える。
ブラック・フライデーは1年で一番稼ぐ日。
そしてクリスマス商戦になだれ込む。
そのブラック・フライデーを、
午前0時からスタートさせるというプロモーションが大受け。
それがエスカレートして、
サンクスギビングデー当日の夕方から開店する企業も増えてきた。
その開店時間が、また早仕掛け競争。
何しろメイシーズ、コールズの百貨店が、
サンクスギビング大販促を20時スタート。
GMSのJCペニーが追随し、
ウォルマートのライバル・ターゲットも午後8時スタート。
家電チェーンのベストバイは今年、午後6時に開店、
トイザらスは午後5時。
いずれも「早仕掛け」競争。
ウォルマートやスーパーマーケットの多くは、
サンクスギビングデーも終日営業する。
一方、顧客の側の動向は結構、ワンパターン。
サンクスギビングデーには必ずといってよいほど、
七面鳥のディナーを食べる。
日本のお節料理のようなもの。
ディナーが終ると、ゆっくりと家族団らん。
それがアメリカ人の伝統。
しかし若者たちは、夕食後には、
ブラックフライデー・プロモーションにつられて店に押し寄せる。
だから「早仕掛け」競争は激化する。
日本の正月元旦営業と同じ。
ウォルマートは、次を見定め、それも早仕掛けする。
サンクスギビング週間の翌月曜日は、
サイバー・マンデーといわれる。
国民すべてがインターネットでクリスマス・プレゼントを購入する。
それに合わせて、ウォルマートは今週土曜日からネット・ディスカウントをスタート。
ここでも早仕掛け。
200品目のサイバーマンデー・スペシャル商品を提案し、
それを12月6日の金曜日まで継続する。
ウォルマートはネットで販売した商品を店頭で引き渡すサービスをしている。
サイト・トゥ・ストアという。
これは当然、配送料は無料。
しかし50ドル以上購買すると、配送料無料で届ける。
サイバーマンデー・スペシャルではこの金額を35ドルまで引き下げる。
35ドル以上購買すれば、
ウォルマート・ドット・コムのアソートメント商品の99%が無料配達される。
ウォルマート・ドット・コムは昨2012年のサイバー・マンデーで、
史上最大の成果を上げた。
そのウォルマート・ドット・コムCEOのジョエル・アンダーソン。
「2013年のサイバーマンデー週間は、
1年をかけて昨年を超える価格の商品をご用意いたしました」
自信満々。
今年夏、8月12日の月曜日には、
ウォルマートはバック・トゥ・クラス・サイバーマンデーのプロモーションを展開した。
そして大成功。
これは本番のサイバーマンデーの予行演習だった。
本番の商品群の一例。
サムスンの46インチ・テレビ479ドル(4万7900円)。
これは400ドルのロールバック。
LG 55インチ・3D LEDテレビ799ドル(7万9900円)、
これは500ドルのディスカウント。
そのほかにもタブレット、ゲームソフトなど高額品は、
家電チェーンのベストバイがとても太刀打ちできない価格で提供される。
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
ウォルマートが仕掛け、他が追随して、
ついてこれない者を振り落とすサバイバル。
これがアメリカの競争だ。
明日のサンクスギビングデーから熾烈な闘いが始まる。