ウォルマート昨年度Eコマース売上高30%の伸びでアマゾンの20%を上回る

ウォルマートの2013年度のEコマースの売上高は、100億ドル(つまり約1兆円)で約30%の伸長率となった。
2013年2月1日から2014年1月31日までの1年間の成果だ。
一方、アマゾン・ドット・コムの2013年度の売上高は、678億ドルで、この伸び率は約20%。
こちらの決算は1月1日から12月31日まで。
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これによって、Eコマース専業企業の王者の伸び率を、小売業王者のEコマース事業部門の伸び率が初めて上回った。

米国『Internet Retailer』誌の調査。
「インターネット小売業」と言う便利な専門誌。

もちろんEコマースの売上げボリュームは、100億ドル対678億ドルで、アマゾンが6.8倍近い。

しかし総売上高は、ウォルマートの2013年度年商が4763億ドルだから、こちらはウォルマートがアマゾンの6.8倍。

ウォルマート自身のインターネット販売は、いまだ全体の2.1%に過ぎない。

そのウォルマートはEコマース企業を次々にM&Aするとともに、検索エンジンの専門会社アドケミー(Adchemy)を買収。
アマゾン以外に検索エンジンを自前で持つのは、これでウォルマートだけとなる。

チェーンストアの成長過程ではほとんど買収作戦を取らなかったウォルマートも、Eコマース関連では積極的だ。この3年に12回のM&Aを敢行している。

一方、アマゾンは昨年サンクスギビングデー前から日曜日も休まず宅配するシステムを導入。
ニューヨーク、ロサンゼルスの二大都市圏からスタートさせ、ダラス、オースチン、シンシナチなど、17都市に配達網を広げていく。
もちろん、やがては全米へ、そして先進国へ。

さらに今年4月4日、加工食品と家庭用品のオンライン販売サービス 「Amazon Dash」をスタートさせたことは、このDaily商人舎(2014年04月09日版)で報じたとおり。

このサービスは音声認識機能と商品バーコード読み取り機能を備えた携帯型端末を利用するもの。さらにアマゾンは2006年から、農産物と加工食品の配送サービス「Amazon Fresh」を提供していて、「Amazon Dash」は「Amazon Fresh」の付加サービスとして試験的に開始したものだ。

アメリカの流通業界で「ぺリシャブルス」と分類される野菜・果物、ベーカリー、冷凍食品、乳製品、そして惣菜デリ、飲料、グロサリーはもちろん、地元食品や日用品やベビー用品、さらにアマゾン・ドットコムの取扱い商品も品ぞろえに加えられる。

35ドルを超えると無料配達。顧客が朝、10時までに発注するとその日のうちに配送してくれる。夜の10時までに申し込むと、翌朝配達。

 

ただし、Amazon Freshは会員制で、会費は年間299ドル。コストコの55ドルと比べると6倍近い。

アマゾンを最大の敵としていたウォルマート。そのアマゾンにとって、最大の敵はウォルマートとなってきた。

つまりは、オンライン専業企業とO2Oの闘い。

ウォル マート・グローバルEコマース部門CEOのニール・アッシュのコメント。
「2016年1月決算までにアマゾンの品揃えと配達スピードに追いつく」。
2014年度のEコマース売上高は「130億ドルで30%の伸び」と自信を見せた。

 

 

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