あらたニュース|年商7046億円・増収増益の日用品卸トップ1ステージ最終年度
(株)あらた(本社・東京都江東区、須崎裕明代表取締役社長執行役員)が2017年3月期連結決算を発表した。日本の卸売業として第10位、日用品卸売業のトップ企業だ。
売上高は7046億1000万円(前年同期4.1%増)、営業利益は73億8400万円(前年同期29.6%増)、経常利益は78億4200万円(前年同期35.0%増)、そして親会社株主に帰属する当期純利益は48億6300万円(前年同期49.9%増)の好決算だった。
大幅増益を果たしてといっても、売上対比の営業利益率は1.05%、経常利益率は1.11%。食品卸売業トップの三菱食品の営業利益率0.74%、経常利益率0.78%と比べると、ちょっと上回るが、やはり卸売業の利益率は小売業と比べても低い。
カテゴリー別売上実績が興味深い。
Health&Beauty(化粧品・装粧品・石鹸・入浴剤・オーラルケア)が2122億0700万円で、前年比107.8%。
トイレタリー(衣料用洗剤・台所用洗剤・食器用洗剤・住居用洗剤・芳香剤・防虫剤・殺虫剤・乾電池・記録メディア・照明用品・電気応用品・OA用品・文具・食品・カー用品)は1693億1200万円で、104.3%。
紙製品(家庭紙・紙おむつ・ベビー用品・衛生用品・生理用品)が1460億2600万円で、100.1%。
家庭用品(台所用雑貨・住居用雑貨・生活用雑貨・レジャー用品・園芸用品)が519億1200万円、103.8%。
そしてペット用品・その他が1251億5200万円で102.9%。
Health&Beautyの伸びが著しい。
取引先業態別売上実績は、まずドラッグストアが3313億1000万円で106.2%。
ホームセンターが1175億6500万円で、101.1%。
スーパーマーケットが884億1400万円の102.3%。
ディスカウントストアが506億7800万円で104.8%。
総合スーパーが470億6100万円で102.8%。
そしてコンビニエンスストアが57億6300万円で68.0。
その他が638億1600万円の107.2%。
コンビニエンスストアは政策的に縮小させているのだろうが、あとは業態自体の伸び率傾向が顕著に表れている。ドラッグストア、ディスカウントストアが好調で、スーパーマーケット、総合スーパーが2%台の伸び率、ホームセンターの伸びが少ない。
あらたグループの当会計年度は中期経営計画の最終年度だった。目立った政策は第1に物流センターの生産性の向上、第2は間接業務の効率改善に向けた業務軽装備化を進め、経費率を削減させた。これらによって、営業利益率は前年同期29.6%増加という画期的成果を挙げた。
さらにプライべートブランドの「アドグッドブランド」を強力に販売し、同時にインストアマーケティングによって店頭管理機能を充実させた。海外事業および中国の越境ECなど、将来に向けた新しい事業展開を視野に入れた取り組みを図って、業態別の「その他」が107.2%と成長した。
資産合計は2229億7400万円で、前連結会計年度よりも32億8400万円の増加、流動資産は1534億5500万円で、15億8100万円の増加。固定資産は695億1800万円で、これも17億0300万円の増加。
一方、負債の部は、流動負債が1240億0300万円で、こちらは57億5300万円の減少。固定負債は393億5700万円で、53億6600万円の増加。
純資産の部は、596億1300万円で36億7100万円の増加。
この結果、自己資本比率は26.7%となった。まあまあのラインだが、30%からあるべき自己資本比率の40%を目指したい。
あらたは2002年4月に、ダイカ(株)、伊藤伊(株)、(株)サンビックが企業統合して誕生した。それから15年間の当連結会計年度までをファーストステージと位置付け、収益向上・業務改革・統合統一を主軸とした次世代型卸のための経営基盤の強化を行ってきた。
今後はカンドステージと位置付け、10年・20年先を見据えて、卸売業の新たな可能性を追求する。その一つは収益性の確立や自己資本比率の向上だろう。セカンドステージのメッセージは、「モノをつなぐ、コトをつなぐ、ココロをつなぐ。」だ。
2018年3月期は、売上高7190億円、経常利益83億円、親会社株主に帰属する当期純利益52億円を目標としている。
検索ワード;あらた ダイカ 伊藤伊 サンビック セカンドステージ