2015年1月成績は総合スーパー▲、スーパーマーケット◎、コンビニ▲

 2月20日のDailyニュースで百貨店の1月の売上速報をレポートした。

 

今日は、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニの1月の業績を報告する。
1月は平均気温が高かったが、北日本を除いて降水量が多かった。
このことがどのような影響を与えたのか。

 

まず、今日23日に発表された日本チェーンストア協会の1月の販売統計
総合スーパー加盟企業が多い。企業数60社、店舗数9374店。

 

総販売額は1兆1053億1092万円。前年比(店舗調整後)98.3%。

食料品が6946億8431万円、100.9%、プラス0.9%。
衣料品が1064億9094万円、89.5%、マイナス10.5%。
住関連が2275億4169万円、94.5%、マイナス5.5%。
サービス33億1328万円、90.8%、マイナス9.2%。
その他732億8070万円、100.5%。プラス0.5%。

 

食料品がかろうじて昨対をクリアしたが、衣料品、住関連ともに低調。
結果、総販売額は前年同月比(店舗調整後)は、10カ月連続のマイナスとなった。

 

食料品では以下の商品が好調だった。
農産品は、きゅうり、レタス、ブロッコリー、カット野菜、りんご、イチゴ、カットフルーツ。
畜産品は、牛肉、豚肉、鶏肉。
水産品は、刺身の盛り合わせ、マグロ、ぶり、タラ、カキ、カニ。
惣菜は、温惣菜は揚げ物、焼き物、要冷惣菜は、和惣菜、洋惣菜、そして米飯、寿司。
ほかに、乳酸菌発酵飲料、乳製品、酒類、インストアベーカリーなど。
 

一方、衣料品。
紳士衣料は、カジュアルパンツの動きは良かったが、スーツ、コート、ジャケット、カジュアルアウターが苦戦。婦人衣料もパンツ・スカート、カットソー、ジーンズは良かったものの、コート、セーター、スーツ、フォーマル、アウターが不調。
意外なところでは、ホームウェア、紳士・婦人肌着などは不調に終わっている。
気温の影響から冬物商品が伸びず苦戦したと発表されているが、重衣料が飲み悩んだのが不調の結果か。
 

住関品は、羽毛布団など寝装品、収納用品、カーテンなど、家電製品は、エアコン、冷蔵庫、洗濯機などの高額商品の動きが鈍かった。目を引くのは、電動アシスト自転車、ペット用品などが好調だったこと。これはシニア層の需要だろうか。

いずれにしても、年末年始を挟んだこの12月、1月の売上げ低迷は頭が痛い。
総合スーパーは食品頼みではない、抜本的なMD改革が急がれる。

 

 

スーパーマーケット協会3団体による1月度の
スーパーマーケット販売統計

2月20日の発表。

総売上高は8103億4321万円、既存店前年同月比プラス1.5%。
主要部門の食品合計は7107億0890万円でプラス2.2%。

そのうち、生鮮3部門の合計は2767億8991万円でプラス2.8%。
内訳は青果1079億4815万円、プラス0.3%、
水産767億3520万円、プラス3.3%、
畜産921億0657万円、プラス5.5%、

そして惣菜部門が780億8463万円、プラス4.9%、
日配部門は1505億6285万円、プラス2.0%、
一般食品(グロサリー)は2052億7151万円、プラス0.4%。

非食品694億9518万円、マイナス3.3%。
その他301億3912万円、マイナス3.3%。

1月のスーパーマーケットの動向を増井徳太郎さんが解説。新日本スーパーマーケット協会副会長。
「12月、小売業態の中で唯一プラスだったスーパーマーケットは、1月も好調を維持し、全店でも既存店でもプラスに終わった。今年は昨年よりも土曜日が一日多かったことが起因」

「しかし一方で、客数減の傾向が止まらない。他業態との競合は激化しつづけているし、人口減少と高齢化は進む。高齢者は天候が悪いと無理に買物に行くことをしないし、まとめ買いもしない。今後も小売業を取り巻く環境は厳しい」

「先月世間を騒がせた異物混入の動画。犯人はすぐに逮捕されたが、それでもお客への不安感をあおることになった。売場の見通しを良くし、声掛けを行うことで、こういった犯罪を抑制し、お客に安心して買い物をしてもらうことができる」

商品別の動向はどうか。
「青果は葉物野菜の相場が下落したものの、果実は輸入物が好調。鮮魚は日本海側の天候不順によって入荷が不足したが、正月や成人の日用のお刺身盛り合わせが好調だった。畜産の相場は依然高く、国産和牛などの高額品もよく動いた」

「日配は価格競争の影響で厳しい状況が続く。冷凍食品は、2014年1月に起こった農薬混入事件の影響から売上げが大幅に減少した。今年はその分が回復した」

総合スーパーの食品が好調だったように、食品専門業態のスーパーマーケットは、畜産の相場高もあり、依然として好調をキープしている。

 

 

最後は、コンビニ。
20日に日本フランチャイズチェーン協会が発表した
「コンビニエンスストア統計調査月報」

既存店ベースでみると、売上高は7124億2200万円、前年同月比マイナス0.7%で連続10カ月のマイナス。
来店客数は11億6058万人マイナス1.6%、11カ月連続マイナス。
平均客単価は614円、プラス1.0%と、これだけは4カ月連続のプラス。

 

降水量が多いと一番に客数に影響が出やすいコンビニだが、既存店客数が11カ月連続前年割れとなると天候のせいばかりでもない。スーパーマーケットでも客数減の歯止めが利かないと発表されているように、産業全体で見ると、やはり少子・高齢化を背景に業態間のパイの奪い合いが激しくなっている。

一方、客単価については、淹れたてコーヒーを含むカウンター商材や惣菜が引き続き好調。また、既存店売上高は前年割れながら、「たばこの売上高減少分を勘案すると前年よりプラス」。
裏返せばコンビニのたばこ販売依存度の高さがよくわかるコメントだが、愛煙家が減って既存店も売上ダウンということだ。

 

スーパーマーケットが順調で、総合スーパーは相変わらず不調。そしてコンビニも不調モードに入ったか。

 

 

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