イオンnews|9月既存店は増税駆け込み特需の反動でGMS3社ともに前年割れ
イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)が主要12社の9月度業績を発表した。
9月は昨年の消費税増税前の駆け込み特需の反動影響があったが、グループ各社は新たな生活様式から生まれる需要を獲得する取り組みを強化している。
主力の総合スーパー(GMS)事業のイオンリテールは、既存店売上高が85.2%で前年を大きく下回った。コロナ禍において需要が拡大しているヨガマット、シューズ、ウェアなどのスポーツ関連商品を提供する「スポージアム」のショップ展開を全国に拡大し、このカテゴリーの売上高既存比は3割強伸長した。また、イエナカ需要の高まりから室内衣料、ゲーム機、ブロック玩具などの売上げが好調だった。
食品は、コロナ禍で観光客が減り、外食の機会も減少して、需要が落ち込んだ生産者や流通業者への支援策として、養殖真鯛やブリの拡販を行った。そのほか、各地の銘菓・駅弁・酒類などを取り揃えた銘菓フェアにも取り組み、好調な売上げを維持している。
ネットスーパーの売上げと受注件数は前年比2割増となった。既存店売上高が前年比で14.8%減少しているものの、消費税増税の駆込み特需の反動影響を除けば前月のトレンドと大きな変化はなかった。
イオン北海道(株)は93.4%、イオン九州(株)は98.3%とともに前年に届かなった。全店ベースではイオンリテールが80.7%だったが、イオン北海道は160.5%、イオン九州は209.4%と前年を大きく上回った。両社ともにマックスバリュ北海道、マックスバリュ九州との経営統合効果である。
スーパーマーケット(SM)事業のマックスバリュ2社の既存店売上高はMV東海101.6%、MV西日本100.3%と前月に続き前年超えとなったが、増加率は減少している。全店ベースでは、MV東海104.0%、MV西日本99.5%だった。
(株)マルエツ、(株)カスミ、マックスバリュ関東(株)の首都圏3社で構成されるユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)の既存店売上高は100.3%、全店ベースでも101.2%と前年を上回った。
ミニストップ(株)の既存店は96.2%、全店でも96.2%と苦戦している。
ドラッグストアのウエルシアホールディングス(株)では、増税前に化粧品などのまとめ買いがあったことの反動で、既存店売上高93.7%、全店98.8%と前年を下回ったが、マスクやアルコール消毒用品などの感染対策商品の需要は継続している。
衣料品専門店の(株)コックスは、既存店84.7%、全店113.5%、靴専門店の(株)ジーフットは、既存店61.5%、全店60.6%。
サービス・専門店事業の(株)イオンファンタジーの売上げは、前月比でプラス12.1%の73.6%まで回復し、月の後半は前年同期間の約9割に達し、さらに回復が進んだ。
ディベロッパー事業や総合金融事業でも同様に前年の反動影響があったが、イオンモール(株)においては、7月、8月と比較して新規感染者数が減少したことと、徹底した感染防止対策により、飲食、アミューズメント、シネマのテナント売上高が回復基調にある。総合金融事業では、9月中旬以降に実施した「ときめきポイント10倍キャンペーン」や「総額1億円ポイント相当還元キャンペーン」の期間中、カードショッピング取扱高は前年水準に戻っている。