10月百貨店売上速報|緊急事態宣言解除で客足回復/4社とも前年クリア
主要百貨店4社の10月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比109.5%、大丸松坂屋百貨店は106.9%、阪急阪神百貨店は103.8%、高島屋は105.8%だった。10月1日から緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が解除されて来客数が回復したことから、4社とも前年をクリアした。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は前年同月比109.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比112.5%、日本橋本店の店頭売上げは107.0%と伸長した。10月後半の気温低下に伴い、ブルゾンやコートなど重衣料の実需購買が増え、売上げを底上げした。ラグジュアリーブランド等の高付加価値商品への購買意欲も引き続き高く推移している。一方で、家での時間を充実させたいニーズも依然として高く、クリスマスケーキやおせちの予約販売は好調な滑り出しとなった。また、三越伊勢丹オンラインストアの売上げは前年比約1.1倍で、人気ブランド企画が好調を牽引した。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、(株)大丸松坂屋百貨店が前年同月比は106.9%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では106.8%。入店客数の増加により、ほぼすべての商品カテゴリーで前年実績を上回った。店舗別では、直営店13店舗中11店舗と、関係百貨店2店舗で前年をクリアしている。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は前年比103.8%。阪急本店が前年比107.8%、阪神梅田本店が90.5%だった。阪神梅田本店は10月8日(金)に建て替え工事中の部分も合わせて約9割弱の売場が先行オープンした。コロナ禍を考慮し、大々的な開業告知や集客力の高い催しは行わなかったため、昨対マイナスが今月も続いた。一部工事が継続している売場はあるものの、1階食品売場は連日特に盛況で、新規客も多く、阪急本店との回遊も目立っている。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比105.8%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比105.6%と好調だった。紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾、スポーツ、美術、食料品などのカテゴリーで前年実績を上回った。