4月百貨店売上速報|行動制限解除と前年反動で4社ともに2桁増収

主要百貨店4社の4月売上高が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比129.6%、大丸松坂屋百貨店は124.5%、阪急阪神百貨店は142.2%、高島屋は123.8%だった。4社ともに2桁増と伸長した。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は前年同月比129.6%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比135.3%、日本橋本店は132.2%、銀座店は135.8%、立川店は105.8%、浦和店は102.5%と伸長した。

4か月ぶりに全国で行動制限が解除され、外出機会の増加や消費意欲の改善といった要因を背景に、国内百貨店計は3か月ぶりに売上前年比が2桁増となった。首都圏三越伊勢丹計の売上げは8カ月連続で前年を上回った。

伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、顧客ロイヤルティの高いラグジュアリーブランド等の高付加価値な商品への購買意欲が引き続き高く、時計や宝飾に加え、ゴールデンウイークを控えた買い替えや気温の上昇に伴う実需購買などから、春夏物衣料や服飾雑貨も好調だった。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が前年同月比123.0%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では既存店123.5%。入店客数の増加や、ラグジュアリーブランド、宝飾品の好調などにより、直営13店舗中11店舗と博多大丸、高知大丸が前年実績を上回った。大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は対前年154.5%増(客数85.7%増、客単価37.0%増)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は前年比142.2%。阪急本店が前年比156.3%、阪神梅田本店が243.6%だった。

3月下旬の「まん延防止等重点措置」解除以降、来店客数は回復傾向だった。気温の上昇も加わり、ファッションにおける春の実需に対応する商品の動きが好調。前年は「緊急事態宣言」発出に伴い、25日以降、東京・大阪・兵庫の店舗を食品売場以外休業した影響もあり、売上高前年比は4割増と大幅に前年実績を上回った。

インバウンドを除く国内売上高の2019年対比は、全店計で実績を超えた。特に都心店では103%、阪急本店は104%とコロナ前の水準を上回った。

6日には阪神梅田本店が全館グランドオープンし、特に強化した洋菓子や惣菜売場を中心に終日賑わいを見せた。売上高の2019年対比も117%と好結果だった。

 

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比123.8%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比122.6%だった。

4月は外出機会の増加や前年度の時短営業の反動に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。商品別売上高では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選、宝飾品、呉服、子供・情報&ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品などが前年実績をクリアした。

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