12月百貨店売上速報|ラグジュアリー好調で4社とも前年越え

主要百貨店4社が12月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比114.6%、大丸松坂屋百貨店は109.5%、阪急阪神百貨店は111.0%、高島屋は104.9%だった。4社とも前月に続き伸長した。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の総売上高は、前年同月比114.6%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比118.7%、日本橋本店は109.6%、銀座店は123.0%、立川店は99.1%、浦和店は101.4%と首都圏全店で前年を上回った。

首都圏三越伊勢丹を中心に高付加価値商品が売上げを牽引し、売上前年比は㈱三越伊勢丹計で114.9%、国内百貨店計で108.6%であった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、9ヵ月連続で2018年を上回る実績で推移をしている。クリスマスや年末のオケージョンニーズも高く、ハンドバッグや宝飾、和洋菓子等が売上げを押し上げた。

また、伊勢丹新宿本店では、好調な冬物に加えてラグジュアリーブランドやデザイナーブランドを中心に春の新作が好調に推移した。

免税売上げは10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に回復傾向が続き、ラグジュアリーブランドのハンドバッグや衣料品、宝飾時計に高付加価値なアイテムの関心が高い。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比109.5%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では108.6%。ラグジュアリーブランド、美術宝飾品が引き続き好調を持続した。

婦人アパレルや菓子・惣菜などクリスマス、年末年始関連の売上げが伸長したことにより、大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(既存店)は、対前年979.7%増(客数同4408.0%増、客単価同76.0%減)だった。

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比111.0%。阪急本店では111.4%、阪神梅田本店が148.7%だった。

新型コロナウイルスの感染者数の増加傾向が続くも、来店客数が堅調に推移し売上高は前年実績を大幅に上回った。都心店の売上高合計は前年比112%と引き続き好調だった。

阪急本店10月以降、3カ月連続で過去最高の売上高を達成。本格的な気温低下もあって、紳士・婦人ファッション全般の売上高が高伸した。ラグジュアリーファッションでは春夏の新作に動きが見られた。平日は男性客の回遊も多くなり、クリスマスギフトニーズが活況となった。ギフト需要は3万円以下と10万円以上で二極化の傾向が見られた。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年同月比104.9%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比104.6%となった。
12月度の店頭売上げは、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品が好調であることに加え、訪日外国人による免税売上増加により、前年実績を上回った。商品別売上げでは、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回った。

関連カテゴリー

月次 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧