8月百貨店売上速報|4社とも2桁伸長/台風による時短・休業でも客足衰えず
主要百貨店4社が8月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比117.5%、大丸松坂屋百貨店は118.5%、阪急阪神百貨店は123.8%、高島屋は114.6%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で117.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは117.7%、三越日本橋本店は110.7%、三越銀座店は162.2%、伊勢丹立川店は113.5%、伊勢丹浦和店は106.4%と首都圏5店で既存店121.2%と二桁増で好調だった。
伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ハンドバッグや財布などが引き続き好調で売上げを牽引した。帰省時お土産需要や集いの機会が増えたことで和洋菓子や総菜も堅調に推移した。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に軽衣料やバッグなど秋物の新作も好調に動き出している。免税売上高はラグジュアリーブランドのハンドバッグ・宝飾などへの関心の高さが継続し、東京・札幌・福岡の店舗を中心に大きく伸⾧したことで、7月に引き続き国内百貨店計(既存店)で、コロナ前の2018年同月実績を超えた。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、17ヵ月連続で2018年度を上回る実績で推移をしている。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比117.7%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも118.5%となった。
8月度は、中旬の台風による関西7店舗と名古屋店臨時休業のマイナス影響があったものの、化粧品、ラグジュアリーブランドが大きく売上げを伸ばした。
店舗別では、15店舗中14店舗が前年を上回った。訪日外国人売上げシェアが高まっている心斎橋店、夏休みで入店客数を大きく伸ばしている東京店、梅田店がとくに伸長した。
免税売上高は、対前年283.6%増(客数1763.7%増、客単価79.4%減)だった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比123.8%。阪急本店では125.8%、阪神梅田本店が133.7%だった。
台風6号の影響により、博多阪急では8月9日に閉店時間を繰り上げ、10日には開店時間の繰り下げを実施した。また、台風7号の近畿圏縦断に伴い、15日には関西の11店舗を臨時休業した。
前年の新型コロナウイルス感染第7波の影響の反動もあり、大阪での連日の猛暑日やお盆期間の台風の直撃にも関わらず、都心店各店の売上高が前年の2割以上伸長し、全店の売上高前年比も2割増となった。
売上高の2018年対比は114%、インバウンドを除く国内売上高対比108%と、ともに今月もコロナ前水準を上回った。中でも阪急本店は2018年対比125%(同国内売上高対比114%)、阪神梅田本店は128%(同128%)と今月も大きく伸長した。免税売上高は、前月に続き単月として過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の店頭売上高は、高島屋単体の10店舗で既存店前年同月比114.7%、国内百貨店子会社3社を加えると114.6%だった。
8月度の店頭売上高は、新たに全店で設けた休業日や、台風7号による関西店舗の臨時休業があったものの、 前年・2019年を上回った。とくに、免税売上高は、前年比166.8%増、2019年比39.8%増と大きく伸長し、 全体を押し上げた。
商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、全商品群が前年実績を上回った。