10月百貨店売上速報|秋物・インバウンド需要好調で4社とも伸長

主要百貨店4社が10月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比110.3%、大丸松坂屋百貨店は114.3%、阪急阪神百貨店は113.2%、高島屋は111.4%だった。

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で110.3%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは111.8%、三越日本橋本店は108.1%、三越銀座店は135.0%、伊勢丹立川店は101.3%、伊勢丹浦和店は109.5%。首都圏5店で既存店113.5%と二桁増で好調だった。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、19カ月連続でコロナ前の2018年度を上回っている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に秋物衣料品(セーターやカットソー、ジャケット等)やハンドバッグ・宝飾が引き続き売上げを牽引した。独自イベントや外国展の催し物も好調に推移して売上げを押し上げた。

また免税売上げは全体傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや宝飾・時計など高付加価値商品に関心が見られる。中秋節・国慶節の影響もあり、国内百貨店計(既存店)で単月の過去最高売上高を記録した。

J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比114.3%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも113.6%となった。

10月度の売上高は、休日が前年より1日少なかったことや、気温が平年より高く推移したことによる秋冬物衣料品へのマイナス影響があった。しかしラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品が引き続き好調を持続し、訪日外国人売上げも大きく伸長した。

店舗別では、15店舗中10店舗が前年を上回った。訪日外国人売上げが好調の心斎橋店は、前年の年約4割増を示した。

免税売上高は、対前年237.8%増(客数577.2%増、客単価50.1%減)だった。



エイチ・ツー・オーリテイリング(株)
(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)は、既存店前年同月比113.2%。阪急本店では116.7%、阪神梅田本店が104.4%だった。

秋らしい天候に恵まれ、来店客数、売上げともに好調に推移した。なかでも阪急本店・神戸阪急・博多阪急が売上げを牽引し、全店計は113%と2ケタの伸びを示した。

前年から全館改装を行っていた神戸阪急・高槻阪急がリモデルを完了し、高槻は「高槻阪急スクエア」に屋号を変更した。それぞれ地域のライフスタイルを提案する売場が特長で、オープン以降も順調に推移している。

免税売上高は、5カ月連続で単月として過去最高を更新した。

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比111.4%、国内百貨店子会社3社を加えると110.8%だった。

10月度の店頭売上高は、国内顧客・インバウンドとも好調に推移したことから、2022年・2018年を上回った。高額品が引き続き堅調に推移したことに加え、気温の低下に伴い秋物衣料雑貨にも動きが見られた。免税売上高は、前年比164.7%増、2019年比74.3%増と大きく伸長し、 全体を押し上げた。

店舗別売上高では、大阪店、堺店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、岡山店、岐阜店が前年実績を上回った。

商品別売上高(同社分類による14店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、食料品、サービスが前年実績を上回った。

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