11百貨店売上速報|4社とも増収/高額品や秋冬物商品中心に売上げ好調
主要百貨店4社が11月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比106.8%、大丸松坂屋百貨店は107.6%、阪急阪神百貨店は105.8%、高島屋は103.0%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で106.8%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは115.8%、三越日本橋本店は104.2%、三越銀座店は112.1%、伊勢丹立川店は99.7%、伊勢丹浦和店は96.0%。首都圏5店で既存店110.4%と好調が続く。
商品面では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのハンドバッグ・財布、宝飾品、化粧品などが堅調に推移した。冬物・防寒アイテムでは、11月に入り気温が低下し寒さが増すと、婦人服・紳士服ともにコートやセーターなどの需要の高まりが見られた。
免税売上げは、国慶節の押上げ効果があった10月の実績、前年実績ともに超えた。国内百貨店の全体購買傾向と同様に、ラグジュアリーブランドのハンドバッグ・財布、宝飾品・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が引き続き高い。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比107.6%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも107.6%だった。
11月度の売上高は、ラグジュアリー・化粧品・宝飾品が引き続き好調に推移したことに加え、10月と比較して気温が低下したことにより秋冬物衣料品が活発に動いた。
店舗別では、15店舗中14店舗が前年実績を上回った。11月20日に本館4階、11月29日に本館3階と北館地下1階をリニューアルオープンした松坂屋名古屋店では、新たに構築したファッションやジュエリーやフレグランスなどを集積したフロアのほか、品揃えを2.7倍に拡大した酒売場が人気を集めるなど、計画を上回る好調なスタートを切った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、前年同月比31.9%増 (客数同42.3%増、客単価7.3%減) となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比105.8%、阪急本店が113.8%、阪神梅田本店が79.0%だった。
大阪では、最高気温が20度を超える中旬までは、秋冬ファッションの稼働が鈍かったものの、中旬以降の気温低下により本格稼働し、結果、阪神梅田本店以外の都心店各店の売上高は前年実績を上回った。中でも阪急本店は2桁増と全体を牽引した。阪神梅田本店は、前年に実施した阪神タイガースの日本一祝賀セールの反動もあり実績を下回った。
免税売上高は、前年に対して約4割増、阪急本店も約4割増と引き続き好調で、国慶節のあった前月を上回った。同月の売上高では18カ月連続で過去最高を更新した。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比108.4%、国内百貨店子会社3社を加えると108.0%だった。
11月度の店舗別売上高は、大阪店109.3%、京都店109.0%、日本橋店112.1%、横浜店109.0%、新宿店110.3%、玉川店102.8%、柏店100.9%、EC店113.2%と8店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(当社分類)は、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、スポーツ用品、リビング、美術品、食堂が前年実績を上回った。
免税売上高は129.9%(10月度、135.1%)。一方、免税を除いた店頭売上高は103.3%。国内顧客では、気温の低下に伴いコートやマフラー、ストールなどの防寒アイテムに動きが見られ、インバウンドでは、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品や化粧品が堅調に推移した。