4月百貨店売上速報|4社とも減収/三越伊勢丹98.5%・大丸松坂屋99.3%
主要百貨店4社が4月の売上高速報を発表した。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比98.5%、大丸松坂屋百貨店は99.3%、阪急阪神百貨店は93.6%、高島屋は95.0%だった。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)の国内百貨店売上げ合計は前年同月比で98.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは98.8%、三越日本橋本店は102.3%、三越銀座店は103.4%、伊勢丹立川店は97.9%、伊勢丹浦和店は98.4%。首都圏5店で既存店100.2%となった。
商品面では、首都圏店舗を中心に、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドのジャケットやブラウス、スカート、パンツなどの衣料品や、宝飾品、化粧品、装身具などが伸した。また、独自性の高い催事・イベントが国内外からの集客に寄与した。
免税売上げは、化粧品や装身具に関心の幅が広がり、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの衣料品も堅調に推移した。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、好本達也社長)は、大丸松坂屋百貨店合計が既存店前年同月比99.3%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体でも98.1%だった。
4月度の売上高は、化粧品、時計、食品などが売上を伸ばし、外商売上の好調もあり国内売上は対前年プラスとなったものの、前年高額品を中心に免税売上が大幅に増加したことによる反動減で前年実績を下回った。
店舗別では、15店舗中5店舗が前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が好調だったが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売上が前年を下回るなど客単価の低下で対前年比78.9%(客数同13.6%増、客単価同30.6%減)となった。
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の売上高は前年同月比93.6%、阪急本店が92.3%、阪神梅田本店が95.4%だった。
中旬まで気温が上下したが、ようやく春物ファッションに動きが見られ、化粧品、食品の売上も各店堅調に推移した。
免税売上の苦戦や改装に伴う売場面積減少が重なり、婦人ファッション全般の売上は前月に引き続き前年を下回った。不安定な気温が続く中、ニットなど羽織りアイテムやパンツは堅調、雑貨では帽子が好調だった。また、化粧品の売上は前年を上回った。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の既存店売上高は、高島屋単体の10店舗で前年同月比95.0%、国内百貨店子会社3社を加えると95.2%だった。
4月度の店舗別売上高は、大宮店105.4%、玉川店102.5%、日本橋店101.9%、柏店100.3%、EC店104.1%と5店舗が前年実績を上回った。
商品別売上高(同社分類)はスポーツ、食料品、食堂が前年実績を上回った。