6月外食統計|全店売上高6.0%増/猛暑で冷たいメニューなど好評
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、久志本京子会長)が2025年6月度の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は226社、店舗数は3万6386店舗。このうちファーストフードは2万1053店舗で、全体の57.8%を占める。
6月の外食全体の売上げは前年同月比106.0%、店舗数は100.7%、客数101.9%、客単価は104.1%だった。6月は「記録的な高温」となり、冷たい麺類メニューや、ビール類、飲料などが好評となったほか、物価高などからの節約志向の強まりを背景に、FFなど低価格業態や各社お得なキャンペーンが好調だった。しかし、暑すぎる天候は一部で客足がマイナスとなり、業態によっては客数が前年を下回った。
ファーストフード業態の売上げは106.9%。「洋風」は、期間限定メニューやお得なランチメニュー・キャンペーンなどが好調で、売上105.2%。「和風」は、引き続き客数が弱かったが、毎月替わる定食メニューや、新規投入の麺類メニュー等が好調で、売上112.5%。「麺類」は、猛暑で冷たい各種メニューやビールの販売が伸びたほか、うどん業態では新しいサイドメニューが好評で、売上109.0%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、客単価上昇で売上103.4%となったが、客数は引き続き前年を下回り94.7%。
ファミリーレストラン業態の売上げは104.6%。夏場の気温が上昇すると「涼みに来る顧客」が増えるが、今年は異例の暑さで効果は各社まちまちだ。「洋風」はお得なセットメニューの拡充もあり売上103.9%。「和風」は、人気の食べ放題やインバウンド需要で堅調なとんかつ、リーズナブルな業態への店舗転換などにより売上107.0%。「中華」は、各種キャンペーンやフェアメニューの好調が続き、売上108.9%。一方、客数の伸び悩みが続いていた「焼き肉」は、土曜日が少ない曜日まわりが大きく影響し、売上も前年を下回り99.6%となった。
パブ・居酒屋業態の売上げは102.3%。ビール類などの販売好調が客単価を押し上げたが、一部ではコロナ禍後の回復傾向にも一服感が出て、客数などに頭打ち感が見られた。
ディナーレストラン業態の売上げは101.6%。節約志向の強まりや、猛暑でシニア層の客足が減り、郊外立地の店が振るわないところもあったが、引き続きお得感のある平日ランチメニューやインバウンド需要が好調だった。
喫茶業態の売上げは112.0%。 引き続き客単価の上昇が売上を押し上げているが、月後半の猛暑で冷たいドリンク類の販売が特に好調だった。