日生協news|2024年問題対応の進捗公表/パレット積算率94%に改善
日本生活協同組合連合会(日本生協連、東京都渋谷区、土屋敏夫代表理事会長)は物流2024年問題への対応の現状を発表した。
2024年1月に、物流2024年問題への対応として、日本生協連としての自主行動計画を策定し、農水省に提出している。自主行動計画策定に当たっては加工食品業界など各業界団体に対して策定の呼びかけが行われており、日本生協連でも業界動向について情報収集を進めている。
主な取り組みとして、発・着荷主事業者は、物流事業者に対し、荷待ち・荷役作業などにかかる時間を2時間以内とする2時間ルールを策定。物流の最適化・生産工場の取り組みを事業者内において総合的に実施するため、物流業務の実施を統括管理する物流管理統括者を選定した。
また、運送以外の役務作業の実態を把握し、「運賃」と「料金」を別建て契約とすることを検討する。さらに、異常気象が発生した際やその発生が見込まれる際には、物流事業者、会員生協、取引先が連携、協業を行い対応・対策について検討する。
また、トラック予約受付システムについて待機時間削減効果が見込める物流施設に導入・推奨し、荷待ち時間短縮につながる取り組みを進めている。
具体的な主な取り組みは3点。第1点が「入庫待機時間の短縮」では、予約車両の荷待ち30分超過台数の削減0台、予約率60%以上の達成を目指した。予約率を上げることで、荷待ち時間が削減でき、当日の受付台数が減少し、全体の待機時間の削減を図る。目標達成に向けて、日時・週次での要因を分析。人員拡充・バース拡大等、改善策を実施した。
取り組みの結果、2023年8月と12月を比較すると、全体呼出し待機30分超過台数は2330台から1359台となり、42%削減した。全体荷卸し込み2時間超過台数は2069台が1071台となり、48%の削減となった。
また、全体予約率は47.4%から51.8%となり、4.4%増加した。2024年度は、国土交通省ガイドラインを参考に、荷待ち・荷役作業含め2時間以内の管理を目指す。
取り組みの第2点目が「パレット積載改善」として、コープ商品を全品点検し、パレット積数改善効果の高い商品を選出し、優先順位を上げて対策を計画した。
「CO・OPミートドリアソース」はケースサイズを見直すことでパレットへの積載率が74%から94%となり、パレット容積率は48%から76%と大幅に増加した。また、パレットの積載数も今までは段数5段から6段へと改善した。
第3点目の取り組みとして「BOXパレットの活用」を開始した。BOXパレットは、パレットに載せた荷物を天板でフタをすることでBOX状にすることで、BOXの上にさらに、パレットを載せることができる仕組み。
従来は、アイテムと数量が細かく、60枚前後のパレットを必要としており、日本生協連で積込みをし、会員生協で荷卸しと検収に長い時間を要していた。そこで、BOXパレットを活用して納品を行う方式に変更することで、積込み・荷卸しの荷役時間は、合計で2時間ほどの削減効果が得られた。
会員生協側でも入庫バースの占有時間も短縮され、作業を効率化することが可能になった。今後も、既存の取り組みの検証を続け、導入促進とともに、新たな施策にも取り組む。