U.S.M.H news|第1Q営業収益1894億円10.5%増・経常利益403%増
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)(東京都千代田区、藤田元宏社長、略称U.S.M.H)が、2021年2月期第1四半期の業績を発表した。U.S.M.Hは、(株)マルエツ、(株)カスミ、マックスバリュ関東(株)で構成されるスーパーマーケット3社の共同持株会社だ。
営業収益が1893億6200万円(前年同期比10.5%増)、営業利益が77億9500万円(417.8%増)、経常利益が79億3600万円(403.4%増)、純利益が49億1700万円(520.2%増)と増収大増益だった。新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、巣ごもり需要によって、赤字基調から一転、黒字化した。
営業利益率4.1%、経常利益率4.2%と1%台の利益率が4%台と飛躍。
3社は2021年度から3年間を対象として第2次中期経営計画を策定し、デジタルを基盤とした構造改革を推進する。
この中期経営計画では、コスト改革・フォーマット改革・ワークスタイル改革・デジタル改革を実行することで、「収益性の向上」「既存ビジネスモデルの変革」「提供価値の変革と創造」を実現し、地域社会に欠かすことのできない存在となることを目指す。
今期は中期経営計画の実現に向け、顧客に直接付加価値を提供する店舗への人員配置を強化し、本部をスリム化することで「直間比率」の引き下げを推進した。また、お客が支払いを自分のスマートフォンで済ませることができるU.S.M.H公式モバイルアプリの決済機能「Scan&Goサービス」の利用できる店舗を順次拡大し、デジタル改革の取り組みに着手した。このScan&Goサービスのアプリは2019年10月にリリースしている。
さらに、「収益性の向上」の取り組みとして、ウエルシアホールディングス(株)との一部商品の共同調達をスタートさせ、商品供給に関する業務の一部統合やMD情報の共有などを進めている。
(株)マルエツの営業収益は1029億7000万円(11.7%増)。「新たなマルエツの創出」を基本テーマとして、3つの取り組みを推進した。「生鮮・デリカの強化」では、生鮮素材を活用した生鮮デリカ商品を全店に導入し、「鮮魚寿司」は累計63店舗へ拡大した。「お客さまに寄り添う店舗の実現」では、クレンリネスや衛生管理を徹底した。また、主力野菜や日配食品、一般食品、生活用品をこれまで以上に求めやすい価格で提供した。「店舗が商売に専念できる環境づくり」では、都心店全店に導入した電子棚札の設置について、一部の店舗でカテゴリーの拡大を行った。さらに、省力化什器として定番スライド棚の導入を累計94店舗へ拡大した。
(株)カスミの営業収益は728億2900万円(8.1%増)。「魅力ある店舗価値の追求」「共生社会の実現」「イノベーションによる生産性向上」の更なる推進に取り組んだ。店舗運営面では、地域に最も適した商品やサービスの提供に向けて推進体制を強化し、諸施策に取り組んでいる。また、「Scan&Goサービス」を利用した無人店舗「オフィススマートショップ」を13店舗に拡大するなど、デジタル技術を駆使して便利に楽しく買物できる店舗フォーマットに挑戦している。
マックスバリュ関東(株)の営業収益は125億4000万円(14.4%増)。新たに策定した中期経営計画の初年度に当たる2020年度を「創業11周年を迎え、次の10年の成長へ向けた大改革に踏み出す一年」と位置付け、①大規模活性化をきっかけとした同社固有の来店動機(=特徴)創出への挑戦、②中期3カ年をかけた商品・コストの構造改革による改革原資の創出、③改革を支える組織能力(デジタル活用/挑戦・学習する組織風土)の醸成に取り組んだ。
新店はグループで4店舗。マルエツは3月13日に「マルエツプチ中目黒四丁目店(東京都目黒区)」を、3月19日に「マルエツ プラウドシティ吉祥寺店(東京都武蔵野市)」を、4月23日に「リンコス 横浜馬車道店(神奈川県横浜市)」の3店舗を出店した。カスミは、4月26日に「フードスクエアカスミ水戸西原店(茨城県水戸市)」をオープンしている。
一方、経営資源の効率化を図るため、マルエツの1店舗を閉鎖した。
その結果、同社グループの5月31日時点の店舗数は、中国江蘇省の2店舗を含めて524店となった。