綿半news|第3Q売上高1005億円18.4%増/小売事業は微増収減益

綿半ホールディングス(株)(長野県飯田市、野原勇社長)の2023年3月期第3四半期決算は、売上高1005億9300万円(前年同期比18.4%増)、営業利益21億0800万円(27.0%増)、経常利益25億7200万円(21.4%増)、四半期純利益13億9000万円(13.7%減)の増収減益となった。

売上利益率20.8%(21.7%)、営業利益率2.1%(2.0%)、経常利益率2.6%(2.3%)。( )は前年同期数値。

同社は小売事業と建設事業、貿易事業などを展開しているため、ホールディングス全体での収益状況は建設事業などの影響を受けている。

小売事業の売上高は2店の新規出店効果もあり592億7300万円(1.8%増)。一方、セグメント利益は、新規出店コストの発生や電力料値上げ等の影響により、9億7600万円(35.0%減)となった。

小売事業ではスーパーセンター、ホームセンター、食品スーパー、ドラッグストア、インターネット通販等、多種多様な業態を展開しており、「店舗改装・新規出店・新業態の開発を継続して推進」「流通網の拡大」を重点施策としている。

「店舗改装・新規出店・新業態の開発を継続して推進」の取り組みでは、2022年8月の綿半スーパーセンター上田店に続き、9月にはグループ初の都市型店舗となる綿半スーパーセンター権堂店をオープンした。

権堂店は駅直結の利便性の高い店舗で、生鮮食品からホームセンター商品、医薬品まで品揃えしているほか、各種テナントが出店して、利便性を高めている。さらに、12月には檀田店と須坂店にも医薬品コーナーを導入するなど、新たなスーパーセンター業態の構築を推進している。

「流通網の拡大」では、日本各地の漁港からの鮮魚の直接仕入や、産地から低温を維持し続けるコールドチェーンを構築し、生鮮商品の鮮度向上を進めている。また、世界的な原材料価格の高騰が続くなか、様々なオリジナル商品の開発にも注力した。

建設事業では、資材価格高騰の影響を受ける一方で、工事が順調に進捗したことにより、売上高は366億5700万円(64.6%増)、セグメント利益は13億8100万円(297.3%増)となった。

屋根外装改修、鉄構、自走式立体駐車場、木造の建設工事等を展開しており、重点施策として「鉄骨分野のFA化をさらに加速」「木の加工・流通網の構築」「木を使った商品開発の推進」に取組んだ。

「鉄骨分野のFA化をさらに加速」では、2022年4月より長野県高森町の新工場が稼働。鉄構工場機能を集約した新工場の自動化により、加工能力の向上と効率化による収益性の向上を進めた。

「木の加工・流通網の構築」では、夢ハウスが有する原木の仕入からプレカットまでを行う木材の製造機能を活かして、長野県産木材の有効活用による地域経済の活性化へ向けて、木材の加工・流通網の構築にも注力している。

「木を使った商品開発の推進」では、大規模な木製倉庫等の建設を進めているほか、住宅分野においては、夢ハウスとサイエンスホームが手を組み、それぞれの強みを合わせた新しい住宅ブランド「cotton1/2 (コットン ニブンノイチ)」の展開を開始した。

貿易事業では、円安傾向の為替相場や輸送コスト上昇等の影響により、売上高は39億9400万円(5.7%減)、セグメント利益は3億5300万円(36.0%減)となった。天然由来の医薬品・化成品の輸入販売、不妊治療薬の原薬製造や農園芸品の販売等を行っていて、重点施策として「食品分野への進出」「肥料・飼料分野の拡大」に取組んでいる。

「食品分野への進出」では、健康志向市場向けに「食べても罪悪感を感じないギルトフリー」に、新たに栄養価の高いウチワサボテン果実をプラスした、「ギルトフリー+」の食品原料の販売を開始した。

「肥料・飼料分野の拡大」では、100%天然植物由来の動物飼料添加物『Nutrafito Plus』の販売を開始するなど、天然の肥料・飼料分野への進出・拡大を進めてきた。そのほか、海外原料の安定した在庫確保や不妊治療薬の原薬製造の安定化・高品質化に向けた精製率を高める方法の研究開発を進めている。

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