イズミnews|営業収益4601億円・経常利益343億円/第二次中計見直し

(株)イズミ(広島県広島市、山西泰明社長)の2023年2月期は営業収益が4601億4000円、営業利益336億4400万円、経常利益343億9600万円、当期純利益231億8800万円となった。

当該年度より「収益認識に関する会計基準」を適用しているため、対前年増減率は記載していない。営業収益及び売上総利益については、会計基準適用前は一部の専門店から受け取る対価の総額を収益として認識していたが、代理人取引に該当するものとして純額で収益を認識することとなったため、営業収益で2406億8400万円、売上原価が2428億6200万円それぞれ減少した。

売上総利益では1362億4500万円(前期1459億4300万円)となり、営業収益対比では29.6%となった。

販売費及び一般管理費については、引き続き経費抑制に努めた一方、エネルギー価格の高騰に伴う水道光熱費の増加などにより1558億8300万円(前期1447億4500万円)となり、営業収益対比では33.9%となった。これらの結果、営業利益は336億4400万円(前期347億1700万円)となり、営業収益対比は7.3%となった。

小売事業の施策では、新型コロナウイルス感染症への行動制限の解除とともに、人々の自粛意識にも大幅な緩和がみられたことから、顧客の消費行動の変化に対応した店舗営業体制に大きく軸足を移して事業を推進した。

一方、資源価格の高騰、円安などにより燃料価格、食料品・日用品を中心とした急速な値上がりに対し、在庫・商品ロスマネジメントを徹底することで売上原価の低減に努めた。また、全社的取り組みとして電力使用量の削減を図るとともに、消費電力を削減する「ライトオフプロジェクト」を実施し、店舗塔屋(屋上看板)の照明を20時以降消灯するなど、「you me MIRAIアクション」として顧客とともにサステナビリティ推進に取り組んだ。

商品面では、グループ初となる自社製造ブランド「zehi(ぜひ)」の展開を4月から開始した。看板商品をリブランディングし、新開発した惣菜・生鮮加工品とともにグループ全店舗で展開している。また、企画・製造・販売の全工程を自社グループが手掛けることで、差別化商品として育成するとともに、売上げの一部を各地のこども食堂支援のために寄付する取り組みやトレーの素材変更によるCO2削減など、持続可能な社会の実現への貢献に取り組んだ。

さらに、GMS店舗におけるライフスタイル売場のリブランディングの一環として、新ブランド「SHUCA(シュカ)」の売場展開を9月より開始した。これは(株)アダストリアとの協業により、同社の生産背景や店舗デザインのノウハウを活かし、主要顧客である30代~40代の女性を取り込む売場を目指した。

また、同社のライフスタイルブランド「studio CLIP」業態の業務提携及び商品売買等に関する基本契約を締結した。第1号店として、「studio CLIP ゆめタウン行橋店(福岡県)」を今年4月に開業する予定。

店舗面では、4月に「あらおシティモール(熊本県)」において、所在地の荒尾市と連携し「荒尾市立図書館」を同店内に移転オープンした。図書館としての機能に加え、地域の拠点としてのコミュニティ機能を備えた施設とした。9月には「ゆめタウンシティモール」としてリニューアルオープン、10月には「ゆめモール西条(広島県)」をオープンした。

グループ直営の食品スーパー「ゆめマート」を中核としてホームセンターや飲食店などを集約したワンストップショッピング対応のNSC(近隣型ショッピングセンター)業態であり、ゆめモール西条で4店舗目となった。

販売面は、直近2年間の同期間では緊急事態宣言が発出されたことにより人出が大きく制限されたのに対して、比較的好天にも恵まれ外出・旅行需要も強まり、大型商業施設「ゆめタウン」等への人出の回復とともに販売動向は好転した。

春先には、前年同期において感染再拡大を受けた一部店舗での土日休業や販促企画の中止などにより苦戦を強いられた直営ライフスタイル売場やアパレル・飲食専門店テナントへの集客回復を中心として好調に推移した。

また、「北海道フェア」などの大型イベントへの顧客の反応も強まり、コロナ禍における行動制限により3年ぶりとなったゴールデンウィークの帰省やレジャーへの需要が強まることを想定した営業体制及び販促施策が奏功した。既存店売上高3.5%増。

小売周辺事業では、金融事業の(株)ゆめカードにおいて、「ゆめカード(ゆめかクレジット)」のデザイン・機能を15年振りに一新するとともにシステム更改を実施。これらによりイニシャルコストが増加した一方、小売事業の堅調な販売動向並びに、電子マネー「ゆめか」及びクレジットカードの新規入会、外部加盟店での取扱い推進などで取扱高が拡大した。これらにより、「ゆめか」の累計発行枚数は前期末899万枚から当期末は974万枚となった。

また、イズミは決算発表と併せて、2021年4月から進めている「第二次中期経営計画(2022年2月期から2026年2月期)」の見直しを発表した。新型コロナウイルス感染症拡大による人流動向への影響の長期化、ウクライナにおける紛争を契機とした急激な資源価格の高騰や円安の進行による電力料金、食料品・日用品を中心とした急速な物価上昇、建築コストの上昇などの動向が想定を大きく上回って変化するなど計画策定時の前提条件と現在の経営環境とのギャップを踏まえて見直しを行った。

 

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧