H2Onews|年商6281億円21.1%増・経常利益454.3%増の増収増益

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が2023年3月期の本決算を発表した。

同社グループでは、2021年12月に行った(株)関西スーパーマーケットとの経営統合に伴い、(株)関西フードマーケット、(株)関西スーパーマーケット、(株)KSPを「食品事業」に含めている。なお、前年実績には、上記3社は含まれていない。

2022年4月1日~2023年3月31日の連結業績は、売上高6280億8900万円(前期比21.1%増)、営業利益113億8800万円(前期は営業利益7億4000万円)、経常利益130億0400万円(454.3%増)、当期純利益163億8200万円(65.9%増)となった。

百貨店事業は、売上高4918億3800円(127.7%)、営業利益102億9900万円(前期は営業利益9億3900万円)。新型コロナウイルス感染症の影響が薄まり、期を通じて国内消費が好調に推移し、通期の国内売上高は2018年度実績を上回った。また、下半期は、免税売上高もコロナ前の8割を超えるまでに回復し、総額売上高においても2018年度実績を上回った。

阪急本店では、通勤や外出機会の増加、結婚式や卒業式などのシーズン需要の回復もあり、婦人ファッションを中心に好調に推移した。ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドファッションなどの高額商材の売上げが大幅に伸長したことにより、通期で過去最高売上高を記録した。

2022年4月にグランドオープンした阪神梅田本店は、4フロアで展開する食を中心とした体験価値の強化に取り組み、幅広い顧客層の来店につなげた。上層階の非フード売場は想定を下回る売上げとなっているものの、顧客基点の営業活動の積み重ねにより、新客の獲得・顧客のファン化が着実に進行している。

販売費および一般管理費については、新型コロナウイルス感染症に関する特別損失への振替額の減少や阪神梅田本店の開業に伴う減価償却費の増加、光熱費の高騰などで、前年より増加した。売上増加に伴う販売手数料の増加などの影響があったものの、宣伝費など効率化を図りながらコスト削減に努めた結果、計画を下回った。

食品事業の総額売上高は4161億3900万円(127.2%)、営業利益は54億6900万円(102.7%)。イズミヤ(株)、(株)阪急オアシス、(株)関西スーパーマーケットでは、4~9月は前年のコロナ拡大による内食需要の増大の反動により苦戦した。一方、10月~3月は各社で客数が前年から減少したものの、値上げにより客単価は上昇し、既存店売上高は前年並みで推移した。新規出店を1店舗、改装を7店舗で実施した。

既存店売上高前年同期比はイズミヤが97.1%(客数96.0%、客単価101.1%)、阪急オアシスが94.3%(客数95.1%、客単価99.1%)となった。販売費および一般管理費については、2社ともに光熱費は増加し利益を押下げた一方で、チェーンオペレーション徹底などにおいて要員体制の最適化に取り組んだ結果、人件費は計画以上の削減となり、前年実績、計画ともに下回った。

関西スーパーマーケットでは、「健康経営」(保健師巡回による健康相談など)、「生産性の向上」(スライド棚設置、スチームコンベクション増設など)、「教育」(全店店長を対象とした店長研修会)を3つの柱とし、施策を推進した。

既存店売上高前年同期比は99.0%(客数98.3%、客単価100.7%)となった。販売費および一般管理費については、光熱費が増加した一方で、消耗品費等の見直しにより、前年実績、計画ともに下回った。

惣菜やベーカリーを製造する食品製造子会社は、食品スーパー各社への卸売上げと専門店売上げの双方が伸長し、増益となった。

商業施設事業は、総額売上高355億7400万円(83.0%)、営業利益18億0800万円(461.8%)。イズミヤ店舗における衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発において、直営売場の縮小により減収となったものの、運営効率化によるコスト削減を進めたことから増益となった。ビジネスホテルを運営する(株)大井開発では、人流回復に伴い10~3月の客室稼働率が90%を超えて推移し、増収増益となった。

2024年度通期は、売上高6750億円(7.5%増)、営業利益170億円(49.3%増)、経常利益165億円(26.9%増)、当期純利益80億円(51.2%減)を見込む。

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