バローnews|23年3月期営収7599億円3.7%増・経常230億円4.5%減/減益
(株)バローホールディングス(岐阜県多治見市、田代正美会長兼CEO)が2023年3月期の本決算を発表した。2022年4月1日~2023年3月31日の連結業績は、営業収益7599億7700万円(対前年増減率3.7%増)、営業利益200億6200万円(5.4%減)、経常利益230億4900万円(4.5%減)、四半期純利益76億0300万円(16.7%減)。グループ店舗数は1294店。
営業利益率2.6%(2.9%)、経常利益率3.0%(3.3%)。( )は前年数値。
期中、「コネクト2030~商品・顧客・社会を繋ぐ」を戦略目標とする中期3カ年経営計画の2期目として、製造機能を活かした商品力の向上や来店目的を明確にした「デスティネーション・ストア」への転換を進めるとともに、2022年10月には愛知県名古屋市中川区にスーパーマーケット、ホームセンター及びドラッグストアを同一敷地内に集積したショッピングセンターを新設した。
また、顧客との接点強化に向けて、グループ店舗網だけでなく、自社電子マネー「Lu Vit(ルビット)カード」やアプリの活用に注力した結果、期末時点の「Lu Vitカード」会員は415万人、アプリ登録会員は74万人となった。
営業収益面ではスーパーマーケット事業で店舗の新設、生鮮・惣菜部門の強化を支える食品加工業が貢献するとともに、前期に子会社化した企業が寄与した。ドラッグストア事業では、店舗の新設及び既存店舗への調剤薬局併設が寄与した。
営業利益面では、売上総利益の増加(3.7%増)があったが、販売費及び一般管理費が人件費、水道光熱費及び店舗の新設に伴う賃借料等で増加(4.7%増)したことで減益となった。
スーパーマーケット(SM)事業
SM事業の営業収益は4218億3800万円(4.0%増)、営業利益は133億7400万円(10.3%減)。
中核会社バローでは、10月に「SMバロー千音寺店」(愛知県名古屋市)をグループの調達、製造、加工機能を活かし商品力の向上や来店目的を明確にした「デスティネーション・ストア」として新設した。同店は原則、折り込みチラシを出さず、鮮度・品質にこだわった商品をEDLP提供する方式を採用している。11月には「SMバロー京田辺店」(京都府京田辺市)を出店し、関西圏における店舗網を拡大した。
またSM事業では、生鮮・惣菜部門の強化を支える食品加工業及び卸売業、前期に子会社化した企業が寄与し、増収となったが、生活防衛意識の高まりや巣ごもり需要の反動減により既存店売上高が前年同期比0.1%減となり、売上総利益が減少したほか、水道光熱費等が増加し、減益となった。設備投資は146億0400万円で最近3年間で最大となった。
店舗状況は、8店舗を新設、4店舗を閉鎖し、期末時点のSM店舗数はグループ合計316店舗。
ドラッグストア事業
営業収益は1609億4700万円(5.6%増)、営業利益は43億1700万円(46.3%増)。
ドラッグ事業では、調剤部門の併設化を中心とした売場改装による効果、行動制限の緩和や新型コロナウイルスの感染再拡大などによる関連商品需要の増加もあり、既存店売上高が前年同期比で2.9%増加した。
また、調剤部門の売上が引き続き好調に推移した上、原価改善等による売上総利益率の上昇、販売促進手法の一層のデジタル化による販売費の低減により、増収増益となった。設備投資は25億4700万円。
店舗状況は、2022年5月に調剤薬局を運営するなぎさ薬局を子会社化し、同社の1店舗を含む22店舗を新設、5店舗を閉鎖し、期末時点の店舗数は495店舗(うち調剤取扱い157店舗)。
ホームセンター(HC)事業
HC事業の営業収益は1249億6200万円(1.6%増)、営業利益は46億2000万円(8.7%減)。
なお、アレンザホールディングスの当該事業の業績は、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)を対象としている。同事業では、原材料の高騰による商品の値上げの影響により、既存店ベースの客単価は前年同期比で4.3%増加したが、来店客数が前年同期比で4.8%減少し、ダイユーエイト、ホームセンターバロー及びタイムの3社で前年同期比0.7%減少した。一方、EC事業が大きく前年を上回る実績で推移し、増収を確保した。
同事業では、プライベート・ブランド商品の取扱いアイテム数の拡大と販売強化による利益率の改善に取り組んだものの、光熱費や物流費の上昇、キャッシュレス決済手数料の増加等により、減益となった。設備投資は42億9500万円。なお、店舗状況は、5店舗を新設、2店舗を閉鎖し、期末現在の店舗数はグループ合計161店舗。
スポーツクラブ事業
スポーツクラブ事業の営業収益は94億3900万円(4.1%減)、営業損失は11億5900万円(前年5億5900万円)。
7月より実施したスポーツクラブの月会費の値上げ、コロナ禍で増加した休会者数の減少等により増収したが、水道光熱費等の売上原価が大幅に増加したため、営業損失が拡大した。店舗状況は、2店舗を新設、11店舗を閉鎖し、期末現在の店舗数はグループ合計184店舗(うちフランチャイズ運営52店舗)。
流通関連事業
流通関連事業の営業収益は113億7300万円(8.8%増)、営業利益は32億9600万円(2.8%増)。
物流、資材卸売、設備メンテナンスなど、流通に関わる事業に携わるグループ企業では、物流事業、卸売業を中心に営業収益は増収となり、販売費及び一般管理費の増加を吸収して増益となった。
その他の事業
その他の事業の営業収益は314億1400万円(0.5%増)、営業利益は16億3500万円(34.8%減)となった。
当連結会計年度に含まれるアレンザホールディングス株式会社の当該事業の業績は、2023年2月期(2022年3月1日~2023年2月28日)を対象としている。同事業には、ペットショップ事業、不動産賃貸業、衣料品等の販売業などが含まれている。
ペットショップ事業では、PB商品の販売、トリミング・しつけなどサービス部門が堅調に推移したものの、巣ごもり需要の反動から減収した。生体の販売頭数に鈍化が見られたものの、犬・猫のおやつ及びプレミアムフード、小動物のフード等が好調に推移したほか、外出・旅行等の需要拡大により、コロナ禍に著しく落ち込んでいたペットホテルサービスは回復している。ペットショップ事業は、4店舗を新設し、期末現在の店舗数は119店舗。
2024年3月期の営業収益7720億円(1.6%増)、営業利益205億円(2.2%増)、経常利益233億円(1.1%増)、当期純利益93億円(22.3%増)を見込む。