J.フロントnews|第2Q営業収益5401億円16.4%増・営利197億円/増収増益
J.フロントリテイング(株)(東京都中央区、好本達也社長)が2024年2月期第2四半期の連結決算を発表した。
3月1日~8月31日までの連結業績は、総額売上高5401億3200万円(前年同期比16.4%増)、売上収益1916億3400万円(13.3%増)、事業利益201億9700万円(48.2%増)、営業利益196億8400万円(48.7%増)、税引前利益188億0400万円(53.8%増)、四半期利益は129億円(27.0%増)だった。
中期経営計画の最終年度となる2023年度は、回復基調にある国内消費やインバウンド需要を着実に捉え、「早期の収益力回復」を図るため、各事業において重点戦略・施策の推進にスピードを上げて取り組んでいる。
具体的には、「リアル×デジタル戦略」に基づき、百貨店事業やショッピングセンター事業において基幹店舗を中心に、リアル店舗の魅力化に向けて戦略投資をした。また、オンラインビジネスを強化するため、ファッションサブスクリプション「アナザーアドレス」でのサービス拡充に加え、冷凍グルメ宅配のサブスクリプションサービス「ラクリッチ」をスタートさせた。
「プライムライフ戦略」では、顧客支持の高い商品カテゴリーのさらなる強化を図るとともに、百貨店の品揃えを越えた新たなコンテンツの開発、次世代顧客の育成など顧客基盤の拡大に取り組んだ。
「デベロッパー戦略」では、3月から始動した新たな事業推進体制の下、グループ全体最適、保有資産の有効活用の観点から、同社が基盤を有する7都市の重点エリアを中心に中長期の開発計画を策定、推進した。
また、2030年を見据えた事業ポートフォリオ変革や新規事業の創出を目指し、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル) ファンドにおいて6社への出資した。さらに、クオン(株)に出資し、コミュニティを通じた顧客との新たな関係構築の検討を開始した。
百貨店事業の業績は、売上収益1123億8600万円(前年同期比10.6%増)、営業利益101億0600万円(165.0%増)。売上収益は、国内消費の需要回復や堅調な富裕層マーケットへの対応をはじめとする戦略・施策の効果に加え、訪日外国人観光客による売上げが大きく伸長したことなどから増収となった。
ターミナル立地の大丸東京店や大丸梅田店、大丸札幌店のほか、訪日外国人売上げが好調だった大丸心斎橋店において入店客数、売上げが大きく改善した。営業利益は、売上収益の改善に伴う変動費の増加をはじめ経費増があったものの増益となった。
重点戦略に基づき、基幹店を中心にラグジュアリーブランドや高級時計など主力カテゴリーのリニューアルを着実に推進した。また、顧客との強固な関係性を構築すべく、大丸・松坂屋アプリを通じたタッチポイントのデジタル化を推進した。さらに、富裕層マーケットへの対応を強化するため、松坂屋名古屋店では最上位の顧客層を対象とした特別ラウンジを導入した。
オンラインビジネス強化への取り組みとして、同社の強みを活かした冷凍グルメ宅配のサブスクリプションサービス「ラクリッチ」をスタートさせた。
SC事業は、売上収益280億0200万円(6.2%増)、営業利益57億7200万円(15.2%増)。売上収益は、基幹店を中心とする戦略改装や全店統一企画等のプロモーションの効果、また渋谷PARCO、心斎橋PARCOをはじめとする訪日外国人観光客の来店増などにより、増収となった。
営業利益は売上収益の改善に加え、保有資産の売却益などにより増益となった。4月公表数値に対しては、売上収益は減少したものの、売上原価や販売費および一般管理費の効果的支出、また保有資産の売却益などにより、事業利益、営業利益ともに増加した。
池袋PARCOでは話題性の高いエンタテインメントコンテンツを取り入れ、バラエティに富んだサブカルチャーフロアにリニューアルした。
名古屋PARCOでは従来のファッションに加え、カルチャーや飲食などを強化した。メンズフロアにおいてユニセックス・レディス要素を拡張し、共用環境を刷新するなど戦略改装を推進した。また、人気TVアニメの大型動員催事を各店で展開するなど、PARCO独自のプロモーション強化に取り組んだ。
デベロッパー事業は、売上収益337億6600万円(29.3%増)、営業利益22億2800万円(36.1%増)。売上収益は、(株)J.フロント建装での大型工事や(株)パルコスペースシステムズの工事受注増、J.フロント都市開発(株)のGINZA SIXのアセットマネジメント業務の受託などにより増収となった。営業利益は、「(仮称)心斎橋プロジェクト」において、共同出資する特定目的会社へ不動産所有持分を売却したことなどにより増益となった。
決済・金融事業は、売上収益67億3300万円(6.6%増)、営業利益15億0200万円(18.9%減)。
売上収益は、百貨店および外部加盟店での取扱高改善による加盟店手数料やアクワイアリング拡大に伴う加盟店事業手数料の増加等により増収となった。
営業利益は、事業基盤の拡大に向けた投資費用や人件費等の増加に加え、カード不正利用増に伴い、その他の営業費用が増加したことから減益となった。