ファストリnews|第3Q売上げ2兆3665億円10.4%増/欧米好調で増収増益

(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が2024年8月期の第3四半期決算を発表した。同社は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用している。

2023年9月1日~2024年5月31日の連結業績は、売上収益2兆3665億0100万円(前年同期比10.4%増)、営業利益4018億0300万円(21.5%増)と、大幅な増収増益だった。税引前四半期利益は3319億3700万円(30.2%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3128億3800万円(31.2%増)となった。

売上収益に対する営業利益率は17.0%。

国内ユニクロ事業は、売上収益が7220億円(1.7%増)、営業利益が1278億円(28.3%増)。気温が高く推移したことで、キャンペーンで打ち出したTシャツ、ブラトップ、ウルトラストレッチ素材のボトムスの販売が好調で、既存店売上高は9.0%増となった。売上高総利益率は4.1ポイント改善した。これは、在庫処分のための値引き販売が減少し、値引率が改善したことに加え、追加生産に使用するスポット為替レートの影響が前年比で減少し、原価率が改善したことによる。売上高販管費比率は2.1ポイント改善した。増収となったことで、人件費比率、賃借料比率、広告宣伝費比率が低下した。

海外ユニクロ事業は、売上収益が1兆2928億円(17.8%増)、営業利益が2219億円(20.6%増)。中国大陸と香港は減収、大幅な減益となった。中国大陸は、前年のハードルが高かったことや消費意欲の低下、天候不順の影響を受けたことに加え、地域の顧客のニーズに合った商品構成が不十分だったことで、販売に苦戦した。台湾は大幅な増収増益、韓国は増収増益と、夏物商品の販売が好調だった。東南アジア・インド・豪州地区は、増収、大幅な増益となった。感謝祭などの商戦時期に、夏物商品の情報発信を強化したことで、ブラトップやUVカット、Tシャツなどのコア商品の販売が好調だった。北米は大幅な増収増益となった。戦略的に販売を強化する商品のマーケティングや情報発信を強化したことで、ブラトップやリネン、スポーツユーティリティウェアなどの販売が好調だった。欧州は大幅な増収増益となった。欧州全体での知名度が上昇していることで、エディンバラやローマなど、新規出店した店舗が計画を上回る好調な販売となったことに加え、既存店売上高も2桁増収と好調に推移した。

ジーユー事業の売上収益は2464億円(8.1%増)、営業利益は294億円(14.2%増)。マストレンド商品の販売が好調だったことで、増収、大幅な増益となった。スウェット風のTシャツやコクーンジョガープルオンパンツ、ライトデニムワイドパンツなど、グローバルのマストレンドを取り入れた商品の販売が好調で、海外展開に向けてのチャンスの芽が見えた。

グローバルブランド事業の売上収益は1037億円(2.5%減)、営業利益は3億円の赤字(前年同期は14億円の黒字)。セオリー事業は、米国事業を中心に販売に苦戦し、若干の減収だった。営業利益は、人件費などの経費を十分に抑制できず、大幅な減益となった。プラステ事業は、事業構造改革により店舗数が減少し、減収となったものの、経費構造の改善により営業利益は増益となった。また、フォーマット転換を進めた都心の店舗を中心に販売が好調で、既存店売上高は増収と回復基調にある。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数の減少により減収となったが、事業構造改革により経費構造が改善し赤字幅は縮小した。

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