高島屋news|第2Q営業収益2434億円10.1%増・経常利益36.3%増
(株)高島屋(大阪市中央区、村田善郎社長)が2025年2月期の第2四半期決算を発表した。
3月1日~8月31日の連結績は、営業収益2434億3100万円(前年同期比10.1%増)、営業利益287億6000万円(38.2%増)、経常利益302億3800万円(36.3%増)、中間期純利益190億7800万円(27.5%増)と2桁の増収増益となった。
営業利益率11.8%、経常利益率12.4%。
高島屋は、中期経営計画(2024-2026年度)を策定し、初年度はグループの「持続的成長」実現策を着実に実行していく重要な一年と位置づけている。経営課題としては、「ESG経営の推進」「人材の確保・育成・活躍推進」「まちづくりの推進」を設定した。
主力の国内百貨店業は、営業収益1558億7300万円(11.5%増)、営業利益144億1600万円(77.8%増)だった。
売上高は、第1四半期を中心にインバウンド売上高が増大したことに加え、全体売上高の約8割を占める国内顧客売上高も堅調に推移した。消費動向、顧客ニーズの変化を捉え提案できる販売力強化と、ニーズに即応する話題性と品質を両立する品揃え強化を両輪で推進したことで、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品のほか、婦人服、紳士服、化粧品などファッション関連商品も伸長した。
海外百貨店業は営業収益166億3400万円(前年同期比7.7%増)、営業利益39億1700万円(5.5%増)だった。
シンガポール高島屋は、為替影響により増収増益となったものの、長引くインフレによる生活防衛意識の高まりやシンガポール通貨高による海外流失など、先行きは不透明な状況にある。また、中国からの顧客の売上高は、依然回復が鈍く、コロナ禍以前の水準に戻らない状況が続いている。
ベトナムは景況感の悪化に伴い、内需の鈍化が見られたが、ホーチミン高島屋では、成長領域である子ども用品、化粧品や食料品などの売場改装や品揃え強化に向けた取り組みを推進したことにより、増収増益となった。
タイのサイアム高島屋は、顧客ニーズに基づいた日本ブランドの品揃え拡充や物産イベントの実施などの対策を実行してきたが、内需の低迷による影響が大きく、減収となった。一方で、商品利益率の改善、コスト削減に向けた取り組みを推進したことにより、赤字幅は縮小している。今年3月末にオープンした日本の家具・インテリア用品専門店は、堅調に推移している。
上海高島屋では、市場変化に対応した新たなテナントの誘致など収益基盤の強化に継続して取り組んでいるが、長引く中国経済の低迷の影響は大きく、減収減益となった。
国内商業開発業は、営業収益203億6800万円(9.0%増)、営業利益39億2300万円(13.3%減)。東神開発(株)では「玉川高島屋S.C.」改装工事、昨年10月に開業した「京都高島屋S.C.」の増築した専門店部分を高島屋に引き渡した反動が大きく、減益となった。「柏高島屋ステーションモール」では、地域ニーズの高いテナントを導入するなど、段階的にリニューアルを実施している。また9月に、複合型コミュニティスペース「BeARIKA(ビーアリカ)」をオープンした。
海外商業開発業は、営業収益78億2800万円(21.6%増)、営業利益31億3600万円(46.3%増)。トーシンディベロップメントシンガポール PTE.LTD.では、賃料収入が増加したことに加え、費用減もあり、増収増益となった。また、成長ドライバーと位置づけるベトナム事業についても増収増益となった。シンガポールでの実績やベトナム・ホーチミンでの成功を足掛かりに、ハノイでの開発を段階的に進めており、住宅・オフィス・商業の複合開発事業など、将来的に大きなリターンを見込んでいる。ベトナムのハノイに学校不動産賃貸事業の2校目となるバイリンガルスクールを開校した。
金融業は、営業収益89億8200万円(4.3%増)、営業利益22億9100万円(1.6%増)。高島屋ファイナンシャル・パートナーズ(株)では、収益の柱であるカード事業の取扱高伸長と年会費収入の増加により、増収増益となった。
カード事業では、百貨店や専門店、Webサイトでの新規会員の獲得強化により新規発行口座数がコロナ禍以前の2019年度を超える水準まで拡大した。また、百貨店・外部加盟店ともに取扱高が伸長したが、特に百貨店での利用が好調だった。さらに、前年8月に発行を開始したビジネスオーナー・個人事業主を対象とするビジネスカード「タカシマヤカード《ビジネスプラチナ》アメリカン・エキスプレス®」は、会員獲得・利用額とも順調に拡大している。
建装業は、営業収益154億2500万円(15.9%利益増)、営業利益11億7700万円(804.3%増)。高島屋スペースクリエイツ(株)では、ホテルなどの大型物件やラグジュアリーブランドを中心とした商業施設の受注が増加し、増収、黒字転換となった。
その他の事業は、営業収益183億1800万円(3.3%減)、営業利益7億8300万円(24.2%増)。
通信販売業のクロスメディア事業では、通販カタログの計画的な部数、ページ数の削減の影響により減収となったが、コスト削減効果もあり赤字幅が縮小した。