小樽ベイシティnews|「マイカル小樽」開業から28年・道内今年最大の民事再生
(株)小樽ベイシティ開発は12月7日、札幌地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は約280億円。負債額は、道内では今年に入って最大の規模。
同社は1991年(平成3年)11月の設立。マイカルグループのほか、道内有力企業の出資によりJR小樽築港駅貨物ヤード跡地の再開発事業として、大型複合商業施設建設を目的に設立された。
そして1999年3月に「マイカル小樽」(現・ウイングベイ小樽)をオープンさせる。この商業施設は初期投資額600億円といわれ、延床面積34万㎡を有するショッピングセンターのほか、シアター、アミューズメント施設などで構成された。物販施設には、マイカルグループが運営するサティとビブレが入居し、当時マイカル最大の商業物件として業界でも話題になった。
ただし、オープン間もなくバブル経済が破綻。収益の柱となる物販部門が低迷する。その結果、2001年9月、マイカルグループ中核の(株)マイカルが東京地裁に民事再生法の適用を申請(その後、会社更生法に移行)するに伴い、グループ企業の小樽ベイシティ開発も東京地裁へ民事再生法の適用を申請する。マイカルの命運をかけた事業が、まさにマイカルの命を縮めた。
その後、資産売却を進め、2003年3月には施設名称を「ウイングベイ小樽」に変更する。小樽市内や道内有力企業からの資本参加を得るなどして、再スタートを図った。債務弁済を行う一方で、日本政策投資銀行を筆頭債権者とする担保付債権を(株)ポスフール(現:イオン北海道(株))が一括取得したことで、約194億円の債務が残される。2007年8月には特定調停を申請して、約29億円まで債務圧縮の合意を得た。
しかしその後も、スポンサーの確保や金融機関からの資金調達が進まず、2010年11月には、再度特定調停の申し立て合意を得るものの、期日までに弁済金を用意できず不履行となる。
2007年と2010年、2度にわたる札幌地裁への特定調停によって債務の圧縮を図ったが、返済は計画通りに進まず、2017年12月に入って、企業再生ファンド「ルネッサンスキャピタル」がイオン北海道188億円の債権などを債務者から買い取り、経営再建に向けて支援することを明らかにしていた。その債権者の総額が約280億円。
今回の民事再生法申請後も、営業は通常通り継続される。裁判所等の了承を得たうえで、新会社(スポンサーであるルネッサンスセブン投資事業有限責任組合の子会社)に対して、全事業を承継させる内容の吸収分割を実施する予定だ。
検索ワード:マイカル 小樽ベイシティ開発 マイカル小樽 民事再生