10月スーパーマーケット統計|12カ月連続既存店前年割れ/九州屋社長語る

スーパーマーケット販売統計10月度が発表された。日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、全国スーパーマーケット協会(NSAJ)の全国の会員企業270社の調査結果だ。

総売上高は8900億6218万円で前年同月比100.0%。ただし既存店は1.7%減で2018年の11月から12カ月連続で前年同月を下回っている。

内訳は9割を占める食品が8087億8403万円の0.6%増、非食品が596億0943万円の5.5%減、その他が216億6929万円の3.6%減。

青果は1255億7691万円の4.2%減。月を通じて気温が高く、葉物や根菜類、キノコ類などの鍋用野菜の動きが悪かった。一方、ミニトマトなどサラダ野菜は好調だった。

水産は765億8818万円の1.5%減。旬のサンマやスルメイカなど不漁の魚種が多いことから前年に比べて減少したが、秋鮭や刺身類は好調だった。

畜産は1084億4294万円の0.3%減。気温が高く鍋用の食材は伸び悩んだが、台風に備えて、備蓄できる加工肉やステーキ肉は伸長した。

惣菜は912億6614万円の0.3%減。気温が高かったことと、運動会や行楽需要としておにぎりやスナック類が好調だった。また、ハロウィンイベントで菓子も伸長した。

日配品は 1759億0478万円で0.4%減。アイスクリームや飲料は好調だったが、半面、気温が高く、おでん関連や麺類などホット商材が不調だった。記録的な台風の被害で、買い貯めできるカップ麺、パン、レトルト食品は大きく伸びた。

一般食品は2310億0508万円で0.8%減だった。9月後半から標準税率のビールや日用品に駆け込み需要が見られたこともその理由となった。

消費増税後、駆け込み需要の反動減があった一方、ポイント還元対策としての販促強化や、台風に伴う防災品の伸長で、全体としての反動減は少なかった。しかし全体では顧客の財布のひもは固く、既存店連続減少は1年になった。

今回のゲストスピーカーとして登場した(株)九州屋の小林拓社長は、「気候変動が激しく、台風被害や大雨被害などで商品が滞ることのないように、今後は産地を厳選せず、物流コストがかかっても日本全国の市場と繋がりを持って商品を集める必要がある」と語った。

ソーシング問題への挑戦は、災害が多発する日本のスーパーマーケットにとって、喫緊の根本課題だろう。

全店売上高 売上高構成比 既存店前年同月比
総売上高 8900億6218万円 (100.0%) ▲1.7%
食品合計 8087億8403万円 (90.9%) ▲1.2%
生鮮3部門計 3106億0803万円 (34.9%) ▲2.2%
・青果 1255億7691万円 (14.1%) ▲4.2%
・水産 765億8818万円 ( 8.6%) ▲1.5%
・畜産 1084億4294万円 (12.2%) ▲0.1%
惣菜 912億6614万円 (10.3%) ▲0.3%
日配 1759億0478万円 (19.8%) ▲0.4%
一般食品 2310億0508万円 (26.0%) ▲0.8%
非食品 596億0943万円 ( 6.7%) ▲5.5%
その他 216億6929万円 ( 2.4%) ▲3.6%

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