8月SC統計|既存SC売上高18.8%減/観光や帰省の自粛傾向で客数大幅減

一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)から発表された8月の既存ショッピングセンター(SC)の売上高は、前月から1.2ポイント悪化し、前年同月比18.8%減となった。新型コロナウイルス感染症再拡大の影響が続き、夏祭り等の各地でのイベントが中止となり、観光や帰省の自粛傾向で、夏休みの人の移動が停滞した。その結果、全国各地のSCで来館者数が前年と比較して大幅に減少した。

テナントは21.1%減と全ての立地で前月より悪化した。キーテナントは都市規模により明暗が分かれたが、前月から0.5ポイント減の9.0%減となった。

立地別・構成別を見ると、関東を除く8地域で前年同月比が悪化した。とくに、夏祭りや花火大会などの大規模イベントの中止で観光客が減った影響で、北海道、東北、中部、北陸、九州・沖縄では前年同月に比べて2割を超える大幅なマイナスとなった。一方、関東は前月より2.3ポイント回復して16.7%減となった。これは、前月と比べてマイナス幅が縮小した1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)が牽引した結果である。

都市規模別・地域別では、福岡市41.1%減、名古屋市37.2%減で大幅に前年を下回った。新型コロナウイルス感染者数拡大を受けて、「福岡コロナ警報」や「愛知県緊急事態宣言」が発せられたが、これらによって外出自粛や消費マインドの低下が見られた。

業種別に見ると、インテリア、貴金属・時計、眼鏡などの高額品に動きがあった。観光や帰省にかかる支出を買物に回したと推察される。一方、観光や帰省の自粛によって、土産品が苦戦した。シネマはファミリー向け話題作などが封切られたこともあり、都市部を中心に回復傾向も見られた。

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