1月家計調査統計|緊急事態宣言発出で消費支出6.1%減/光熱費8カ月増加
総務省統計局が1月の「家計調査」を報告した。家計調査は家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査し、景気動向の把握、生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定およびウエイト作成などの基礎資料として利用されているが、わずか全国約9000世帯を対象としていることを念頭に置きたい。
1月の2人以上の消費支出は26万7760円で、物価変動の影響を除いた「実質」では前年同月比6.1%減と、2カ月続いてマイナスとなった。また、2人以上の勤労者世帯の1世帯当たり実収入は、前年同月比2.5%減(実質)の46万9254円と、これも2カ月続いての減少となった。
費目別消費支出(2人以上世帯・実質)は、1月はまだ寒さが続いたことや外出自粛で家事用耐久財や冷暖房用器具の動きがよく「家具・家事用品」17.3%増加した。またリモートワークや巣ごもりによって光熱費、とくに電気代が8カ月連続して増加している。
一方、緊急事態宣言発出によって外出が控えられ、宿泊料は33.3%減、パック旅行費は90.8%減と支出が抑えられた。
消費行動に大きな影響がみられた品目では、巣ごもり消費で需要が伸長したパスタや即席めんといった保存性の高い食品、そして酒類だ。また加湿器、空気清浄機を含む冷暖房器具も96.6%と大きく伸びている。一方で、勤務時に必要な背広(42.2%減)、鉄道運賃(70.8%減)など交通費支出は減少している。