6月SC統計|既存SC売上高前年比9.1%減、19年比では23.5%減
一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が6月のショッピングセンター(SC)販売統計を発表した。
6月の既存SC売上高は前年同月比9.1%減と前年を下回った。前年は、5月中旬から1回目の緊急事態宣言が徐々に解除され、売上げ回復傾向が見られたが、本年は3回目の緊急事態宣言などによる休業が続いたこともあり、マイナスとなった。しかし、コロナ禍前の2019年比較では23.5%減で、5月の33.2%減と比べると、マイナス幅は10ポイント近く改善している。
立地別では、中心地域・総合が前年同月比6.7%減(19年比31.4%減)、周辺地域・総合が同10.1%減(19年比 19.8%減)となった。前年と比べると中心地域の売上げが回復しているようにみえるが、19年比では依然として、中心地域のマイナス幅が周辺地域より大きい。
構成別の売上高では、テナントが前年比で10.4%減(19年比では26.4%減)、キーテナントが4.5%減(19年比11.7%減)となり、2019年と比べてもテナントの苦戦が続いている。キーテナントは、コロナ下でも日常生活に必須である食料品を取り扱うGMSや食品スーパーが主であることから、落ち込みはそれほど大きくはない。一方、テナントは衣料品や身の回り品等が中心であることに加え、外出自粛傾向のなかで実施したバーゲン商材が苦戦していることも要因とみられる。
立地別・地域別の売上高では、北海道が総合で前年同月比26.6%減(19年比43.4%減)と全国でもっとも大きい落ち込みとなった。緊急事態宣言等による土日祝日休業や営業時間短縮によるマイナスのほか、2019年に約250万人に達していた海外からの観光客が、今年度はほぼ消滅していることも苦戦が続く要因の一つとなっている。
都市規模別・地域別の売上高では、生活必需品の対象範囲が広い首都圏(東京区部、横浜市、千葉市)に比べ、大阪市、神戸市は、生活必需品としての休業要請対象外業種が食料品・医薬品等に厳しく制限されたことで、前月に引き続き苦戦した。
業種別では、理美容といった施術を行うサービス系テナントが好調だ。感染対策を徹底していることの安心感から、コロナ前と同様の利用頻度に戻ってきた。苦戦の続く飲食は、緊急事態宣言下の酒類提供禁止要請が21日に解除されたものの、19時までの提供という制限もあり苦戦が続いている。