8月外食統計|緊急事態宣言と大雨影響し前年比91.4%/FF101.0%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、赤塚保正会長)が8月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は前月より10社増えて229社、店舗数は160店減って3万7603店。ファストフードは前月から247店増えて、2万1556店舗と全体の57.3%を占める。
8月は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全国的に拡大し、外食の営業規模はますます縮小した。夏の最大の書き入れ時であるお盆休みも期待できず、台風や前線の停滞による大雨の影響が追い打ちをかけ、全体売上げは前年比91.4%だった。
ファストフード業態の売上げは101.0%(19年比、97.7%、以下同)。「洋風」は、テイクアウト、ドライブスルー、デリバリーの需要増大で売上げ106.0%(114.9%)。「和風」は、オリンピック、パラリンピックに合わせたテイクアウトキャンペーンにより売上げは99.9%(91.8%)に踏みとどまった。「麺類」は、売上げ88.4%(70.1%)。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、回転寿司の持ち帰り需要が堅く101.1%(90.7%)。「その他」は、「アイスクリーム」がお盆の時期に九州、西日本で続いた大雨が響き、91.8%(86.1%)となった。
ファミリーレストラン業態は、時短営業や酒類提供制限が続くなかで、新たな販路としてテイクアウト・デリバリーに力を入れているが、売上げは79.4%(59.2%)。「洋風」は、81.0%(56.6%)、「和風」は75.3%(53.6%)。「中華」は87.1%(79.9%)。「焼き肉」も、緊急事態宣言の対象地域では休業店が増え、73.4%(61.8%)となった。
パブ・居酒屋業態は、緊急事態宣言・まん延防止措置の適用が全国に広がり、売上げの主要を占める酒類が提供できないために休業せざるを得ない店が増え、パブ・居酒屋業態全体は31.2%(11.2%)という低水準に終わった。「パブ・ビアホール」の売上は26.4%(9.3%)、「居酒屋」は33.0%(11.9%)だった。
ディナーレストラン業態は、全国主要都市に適用された夜間営業の制限や、法人需要の低迷により、都市部が大きな影響を受け、売上げは75.5%(50.2%)と依然厳しい。
喫茶業態は、時短営業地域の拡大と相次ぐ雨天の影響で売上げは91.5%(61.9%)。郊外やショッピングセンター立地の店舗は比較的少ない減少幅だが、在宅勤務の定着化で都市部店舗は苦しい状況が続く。