帝国データバンクnews|3月食品値上げは728品目/前年同月比8割減

(株)帝国データバンク(東京都港区、後藤信夫社長)が3月度の「食品主要195社」価格改定動向調査を発表した。3月の値上げ品目数は728品目。1回当たりの平均値上げ率は月平均約17%となった。前年同月の3503品目から8割減、大幅に少ない水準となった。

分野別ではレトルト食品や冷凍食品など「加工食品」(407 品目)が最多。「菓子」(147 品目)と合わせ、上位 2 分野で 3 月全体の 7 割超を占めた。なかでも「菓子」はチョコレート加工製品が中心で、原料となる砂糖価格の上昇に加え、天候不順で不作となったカカオ豆価格の急騰「ビーンショック」も影響した。

2024年通年の値上げ品目数は 6 月までの累計で 5911 品目となり、年間の平均値上げ率は 19%に達した。なかでも「加工食品」(3295 品目)が最も多かった。なお、4 月単月の「加工食品」値上げは、ハム・ソーセージなど肉製品の値上げが相次いだことを背景に、23 年 4 月以来 1 年ぶりとなる 2000品目超えで推移する。

23 年の値上げ予定品目で 5000品目到達が判明したのは 22 年 11 月時点だったのに対し、24 年分では同年 2 月と、前年より 3 カ月遅いペースとなった。

ただし、1月から6月までの期間の値上げで比較すると、年間で2万品目を超えた22年同期間の8243 品目を上回るペースで推移しているほか、4 月は加工食品を中心に6カ月ぶりに 食品全体で3000品目を超える大規模な値上げとなる見通し。年初から続いた収束トレンドから、一転して値上げ機運再燃の兆しがみられる。

2024 年に予定される値上げ品目のうち、値上げ要因では「物流費」(56.8%)は23 年同期から同水準、「円安」(31.8%)と「人件費」(23.0%)は 23 年同期を上回る水準だった。「原材料」(88.1%)を要因とする割合は低下したが、トマトやオレンジなど野菜・果物や畜肉価格の高騰が響き、値上げが継続する食品もみられた。

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