3月家計消費調査で高額品減、大幅増は何?
「本当に高額商品は売れているのだろうか?」
新聞紙上ではアベノミクスの資産効果で、
高額商品の売上げが伸びていると伝えられている。
しかし、総務省が7日に発表した
2013年3月分の家計消費状況調査(速報)。
支出総額は34万5566円で、前年同月比では
名目、実質それぞれ▲3.9%、▲2.9%とマイナスだった。
「名目」は調査時点の価格の評価で、
「実質」は物価変動を考慮した評価。
例えば、1年前の支出が1万円で
調査時点では10%増加して1万1000円だったとする。
一見すると1000円分が増えている。
しかし、期間中のインフレ率が10%であれば、
相殺されて実質は変わらないことになる。
これが名目と実質の関係。
家計消費状況調査は、
購入頻度が少ない高額な商品・サービス等への支出を
把握するための調査。
アクセサリーなどの装身具、いわゆる贅沢品は、
名目▲25.0%、実質▲25.1%と本当に振るわない。
自動車(新車)もエコカー補助金が終了し、
名目▲19.7%、実質▲19.2%とその反動が顕著。
さて、小売・サービス業にとって注目すべき点は、
「インターネットを利用した支出総額」だ。
金額は5850円とまだまだ少ないものの、
前年同月が5141円だったので、1年間で実に709円の増加。
名目で13.8%、実質で14.9%のプラス。
これは意味のある大きな数字。
そして、何よりも通信手段に変化が起こっている。
パソコンへの支出が名目▲13.3%、実質▲9.4%と減少している。
一方、携帯電話機などへの支出は、
名目43.4%、実質55.4%と大幅に伸びている。
カメラ(名目▲33.4%、実質▲26.4%)や
ビデオカメラ(名目▲32.3%、実質▲4.5%)への支出も
大きく減少していることを考え合わせると、
スマートフォンへの支出が増えていることが窺われる。
簡単にいえば、
インターネットを利用した支出が増え、
通信手段はスマホに移行している。
アメリカの小売業界は、
いまこのスマホ対策を急いでいる。
日本の小売・サービス業も、
このスマホ・シフトに対して
迅速に、確実に対応したい。
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