12月は天候不順で百貨店、総合スーパー、コンビニとも既存店はマイナス
今週は、各協会から12月の販売動向と2014年の年間売上高が次々に発表されている。
2014年がどのような1年だったのかを確認しつつ、2015年に臨みたい。
百貨店
(日本百貨店協会発表)
2015年1月19日に発表された全国百貨店売上高概況によると、
2014年12月の売上高総額は7107億0608万円。
前年同月比はマイナス1.7%。
12月売上減の原因は、
日曜日が一日少ない曜日回りや、
北日本を中心に降雪や雨量が多かったことなど。
クリスマス週を中心とした後半の追い上げも実らず、
残念ながら9カ月連続のマイナスとなった。
これを受けて、2014年の年間売上高は、既存店ベースでプラス0.3%。
3年連続でプラスを確保するも、
全店ベースでは僅かにマイナス。
前年比マイナス0.1%で47億円弱達しなかった。
既存店ベースの年間売上高プラスの要因は、
① 各店各社、前倒しの期待できる商材、反動減からの回復の早い商材を事前に準備した。
② 企業業績の改善や賃上げなどによる下支え。
③ 10月以降のインバウンド効果など。
地区別には東京、大阪の主要地区が前年を確保。
ただし札幌、仙台を含む北海道、東北及び近畿、中国、四国などでマイナス幅を広げた。
これは天候不順などの悪条件が大きな原因と思われる。
商品別では雑貨がプラス3.7%と健闘。
これは細分類の化粧品のプラス5.7%(6カ月連続プラス)や、
美術・宝飾・貴金属のプラス6.5%などが寄与したため。
また訪日外国人売上高は175.1%増と好調を持続。
統計開始の2009年1月以来、初めて単月で100億円を超え、
年間売上高も前年に対しほぼ倍増。
1月20日、日本政府観光局(JNTO)が
2014年に日本を訪れた外国旅客が
前年より29%多い1341万人だったと発表した。
今年は中国向けにビザの発給要件を緩める試みも行われる。
とくに買物に熱心な中国人旅客は、
百貨店にとって大きな消費者となるのである。
総合スーパー
(日本チェーンストア協会発表)
日本チェーンストア協会企業の売上高の半分くらいが総合スーパー。
だから協会発表の数字はおおよそ、総合スーパーの動向を示すと、見てよい。
1月21日に発表されたチェーンストア販売概況によると、
2014年12月の総販売額は1兆3042億1830万円。
全店ではプラス0.4%。既存店ではマイナス1.8%。
部門別では、
食料品 8103億4750万円。全店プラス1.4%、 既存店マイナス0.9%
衣料品 1214億3127万円。全店マイナス6%、 既存店マイナス6.5%
住関品 2813億6593万円。全店プラス0.5%、 既存店マイナス2.7%
サービス 43億2449万円。全店マイナス0.9%、既存店マイナス1.6%
その他 867億4911万円。 全店プラス0.3%、 既存店マイナス0.2%
相場高もあり食料品は好調に推移。
しかし衣料品、住関品が不調だったため、
総販売額の前年同月比は、9カ月連続のマイナスとなった。
そして、チェーンストアの2014年の年間販売総額は13兆0207億5000万円。
全店前年比はプラス2.3%、既存店はマイナス0.6%。
1、2月の食料品、住関品の好調で始まり、
3月は消費税引き上げによる駆け込み需要の影響で前年を大きく上回った。
しかし、4月以降は駆け込み需要の反動が予想以上に影響した。
食料品は年間を通して好調に推移したが、全体ではマイナスとなった。
コンビニ
(日本フランチャイズチェーン協会発表)
2015年1月20日発表のJFAコンビニエンスストア統計調査月報によると、
コンビニの2014年12月総売上高は、8592億8900万円。
全店前年同月比ではプラス3.2%だったものの、
既存店ベースではマイナス1.2%に終わった。
低気温、降水量・降雪量の多さが
個人消費者の客数に影響を与えたようだ。
しかし、大ヒットした淹れたてコーヒーや年末商品が好調に推移し、
客単価は全店、既存店ともに上回った。
既存店売上げが前年を下回った要因は、
たばこや雑誌等の購入者の減少。
コンビニ全店の2014年の年間売上高は9兆7309億円で、
前年比プラス3.6%と好調。
格差はあるものの、積極的な出店が功を奏した。
3業態の2014年の年間売上高をまとめておこう。
百貨店は、既存店ベースでプラス0.3%だが、全店ベースでは僅かにマイナス。
チェーンストアは年間販売総額13兆0207億5000万円で、
既存店はマイナス0.6%だが、全店前年比はプラス2.3%。
コンビニの年間売上高は9兆7309億円で、
既存店はマイナスだが、総売上げは前年比プラス3.6%。
百貨店とチェーンストア・コンビニとは逆のトレンドである。
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