スーパーマーケットの12月は既存店昨対100.5%、小売業態で唯一前年クリア
昨日は百貨店、コンビニ、総合スーパーの12月販売動向をお伝えした。いずれも天候不順を主要因とする不調で既存店クリアならず。
しかし、昨日スーパーマーケット3団体から発表された販売統計調査で、スーパーマーケットは唯一、既存店前年同月比プラス0.5%で2014年を終えた。スーパーマーケットのみ、プラスとなった要因はどこにあるのか。
まずは12月の実績数値はこちら。
総売上高 8768億4275万円 既存店前年同月比プラス0.5%
食品合計 7675億7239万円 プラス0.9%
生鮮3部門合計 2946億1126万円 プラス1.3%
青果 1066億9645万円 マイナス3.7%
水産 892億8607万円 プラス2.4%
畜産 986億2874万円 プラス6.2%
惣菜 830億4762万円 プラス3.8%
日配 1589億7817万円 プラス0.6%
一般食品 2309億3534万円 マイナス0.3%
非食品 776億2157万円 マイナス2.3%
その他 316億4879万円 マイナス2.2%
今月はオール日本スーパーマーケット協会の松本光雄専務理事が登壇。
12月は好調に終わり、8カ月連続で既存店前年オーバーとなった。
商品別にみていくと、ここのところ相場安だった青果が年末に少し盛り返したが、主力野菜の単価の下落が響き、売上げが低迷した。また果物もメインのみかんやいちごが不振だった。
水産、畜産の相場高は今月も続いており、畜産が売上げをけん引している。鮮魚はエビやカニ、塩干類がよく動いた。精肉の中では牛肉が好調。特に黒毛和牛などの高質品の売上げがよかった。
惣菜はクリスマスのチキンやオードブルが好調だったが、年末のおせちは企業間でばらつきがみられた。近年低迷しているおせちの売上げ、全体で見ると今回も前年クリアが精いっぱいだったようだ。伸びた企業と伸びなかった企業の差が大きいというのは、マインド上の重要な問題。
平年より気温が低く、降水量の多かった12月は飲料が不振だった。唯一、NHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」の影響で、ウィスキーの売上げが前年を大幅にクリアした。
一方で、一般食品や非食品は前年を下回った。下記のグラフを見てみると、昨年4月の消費増税以降、ずっとマイナスが続いているのが分かる。
スーパーマーケットの好調の要因は、年末年始の高額商品特需といえよう。年末・正月用の食材調達では消費者の財布のひもは緩くなり、高級品がよく売れるのだ。そして革新を遂げたスーパーマーケットが、その高級品需要の受け皿として他の業態を圧したということだろう。スーパーマーケットに光明が見えてきている。
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