日経MJ[日本の飲食業調査]にみるフードサービスのダウントレンド

この時期、日経MJが業種別のランキングを次々に発表してくれる。
独自調査で信頼度が高く、しかも毎年発表されるから時系列比較もできて、業界関係者にとってはありがたい。商人舎でも概要をつかむのに大変、重宝している。

さて、今日27日には「第41回 日本の飲食業調査」が発表された。
ここでは店舗売上高ランキング500億円以上の35位までを紹介する。

 

◆日経MJ「日本の飲食業調査」より店舗売上高500億円以上をランキング

順位 社名 業態 売上高 伸び率 店舗数 内訳
2014 2013 (百万円) 直営 FC
1 1 日本マクドナルド ファストフード 446,307 -11.5 3,093 1,009 2,084
2 2 ゼンショーホールディングス ファストフード 406,136 4.1 4,897
3 3 すかいらーく 多業態 293,913 1.4 2,595 2,560 35
4 5 コロワイド 多業態 287,078 50.5 2,466 1,394 1,072
5 4 日清医療食品 集団給食 201,231 4.8 5,325 5,325 0
6 6 プレナス 持ち帰り・料理品小売 190,390 2.9 3,002 1,635 1,367
7 7 モンテローザ パブ・居酒屋・バー・料亭 144,788 -0.4 2,143 2,143 0
8 8 日本KFCホールディングス ファストフード 134,531 1.8 1,531 492 1,031
9 9 あきんどスシロー 回転ずし 125,943 6.3 377 377 0
10 11 エームサービス 集団給食 110,400 1.8 1,431 1,431 0
11 13 サイゼリヤ ファミレス 105,049 2.7 1,018 1,018 0
12 12 ダスキン ファストフード 102,007 -1.0 1,321 18
13 14 モスフードサービス ファストフード 100,264 1.6 1,442 90 1,352
14 10 ワタミフードシステムズ パブ・居酒屋・バー・料亭 98,200 -12.9 1,094 978 116
15 16 吉野家 ファストフード 97,881 2.1 1,190 1,097 93
16 17 グリーンハウス 集団給食 96,500 4.1 1,886 1,886 0
17 18 くらコーポレーション 回転ずし 95,635 9.7 344 344 0
18 15 王将フードサービス レストラン 94,900 -1.4 702 470 232
19 19 ドトールコーヒー 喫茶 87,589 1.1 1,359 327 1,032
20 24 セブン&アイ・フードシステムズ ファミレス 83,305 6.8 846 811 35
21 20 本家かまどや 持ち帰り・料理品小売 82,876 -3.8 1,700 215 1,485
22 22 松屋フーズ ファストフード 80,965 3.3 1,040 1,033 7
23 21 西洋フード・コンパスグループ 集団給食 80,908 2.1 912 912 0
24 25 トリドール ファストフード 80,583 5.0 848 848 0
25 26 壱番屋 レストラン 76,042 7.1 1,270 255 1,015
26 23 大庄 パブ・居酒屋・バー・料亭 72,724 -6.9 799 599 200
27 27 富士産業 集団給食 71,817 3.6 2,210 2,210 0
28 28 フォーシーズ 宅配 63,250 -0.9 886 525 361
29 30 ジョイフル ファミレス 62,819 2.2 742 687 55
30 29 魚国総本社 集団給食 62,400 -0.3 2,611 2,611 0
31 31 チムニー パブ・居酒屋・バー・料亭 60,962 2.7 707 407 300
32 32 LEOC 集団給食 60,262 3.2
33 33 アレフ ファミレス 58,307 4.3 347 145 202
34 34 日本レストランエンタプライズ 多業態 52,392 -0.2 382 382 0
35 36 フジオフードシステム レストラン 51,623 6.6 706 375 331

 

1位は売上高前年比マイナス11.5%ながら日本マクドナルド。店舗売上高4463億円。
異物混入事件が尾を引き、大幅な減収となったが、トップに踏みとどまった。

2位は同じく昨年同様、ゼンショーホールディングス。
すき家、なか卯、ココス、ビッグボーイなど、主に和風ファストフードの多フォーマット運営で4061億円、2.2%増。

3位はすかいらーく。ただし、上位2社とは大きく水があき、2939億円、1.4%増。
こちらは多業態運営で、ガスト、バーミヤン、夢庵、ジョナサンのファミレスで稼いだ。

そう考えるとほぼシングルフォーマットで1位のマックは、それなりにすごいことがわかる。

 

コロワイドグループ(牛角、かっぱ寿司、土間土間ほか)は期中にカッパ・クリエイトホールディングスを買収して躍進して4位。5位の日清医療食品ともども、2社が2000億円台。

6位のプレナス以下、13位のモスフードサービスまでの8社が1000億円台。
500億円以上1000億円未満は22社。まだまだフードサービスは店舗数は4桁チェーンが多いが、売上げ規模の面では、小売業に比べて小さい。

 

ランキング35社を業態別にみると
ファストフード8社、集団給食が7社、ファミレス4社、レストラン4社、持ち帰り・料理品小売りが2社で、ほかに多業態経営など。

ファミレスはマルチフォーマット経営のすかいらーくがトップ、シングルフォーマットのサイゼリアがフードサービス11位で2位。デニーズのセブン&アイ・フードシステムズが第3位。
ファストフードに比べて、少しずつ改革の成果が上がってきた。

さて、首位のマクドナルドだが、異物混入問題以降の対応もあり、経営は苦しい。セットメニューを刷新し、野菜を使ったチキンバーガーやサイドメニューを増やすなど健康志向をアピールする戦略で売上げ回復を狙う。

一方、ハンバーガーチェーン2位のモスバーガーは1002億円でランキングは13位。売上げ規模が1/4ながら、マックとは異なるビジネスモデルで堅実に前年比1.6%の成長を維持。
ただし、5月19日から主要商品の約9割の品目を10円から70円値上げした。その影響はどうか。

原材料、燃料費、人件費、建設費などコスト引き上げ要因はどの業界も同じ。パートタイマー、アルバイトなどの採用難が一番の悩みの種だが、小売業以上の6重苦、7重苦がフードサービス業界の経営に大きく影響を及ぼしている。

 

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