12月SC売上高は前対比0.1%減、暖冬で「衣」不調「食」好調

12月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が、一般社団法人日本ショッピングセンター協会から発表された。サンプル数は505SC。11月は495SCだったので、10カ所増えた。回答率は50.5%。

12月の既存SCの売上げは5810億6603万円で、前年同月比0.1%減。2カ月連続のマイナスとなった。テナントは4216億5038万円でプラス0.1%と微増。キーテナントは1594億1565万円で▲0.6%だった。

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(表は全て一般社団法人日本ショッピングセンター協会 SC販売統計調査報告2015年12月より)

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11月に続き12月も天候不順と暖冬が大きく影響し、婦人服を中心とした冬物衣料やブーツなどの靴や雑貨が不振だった。年末商戦にあわせて積極的にイベントを開催したり、リニューアルを実施したSCもあったが、テナントの退店により一時的に売上げがダウンしたという回答も多く、マイナスを補うことが出来なかった。

地域別の総合では、
北海道2.0%、東北1.6%、中部1.2%とプラスとなったが、他はマイナス。
関東▲0.1%、近畿▲0.3%、九州・沖縄▲0.3%、北陸▲1.8%、中国▲1.8%、
四国▲3.1となった。

寒い時期には寒いところに人は流れるのか。北海道、東北が数字を伸ばしている。

中心地域、周辺地域、郊外地域のそれぞれの伸長率は下記の【表-2】を参照。

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また、政令指定都市でみると、プラスが並ぶ。
名古屋市4.8%、福岡市3.1%、北九州市2.8%、札幌市2.4%、東京区部1.4%
横浜市1.4%、川崎市1.3%、仙台市1.2%の8都市がプラスとなり大都市は好調だ。
大阪市と神戸市はともに0.0%と横ばい。
一方、マイナスだったのは、京都市▲1.9%、千葉市▲3.5%、広島市▲4.2%。

またその他の地域(政令都市を含まない地域)では、違った傾向がみられる。
プラスは東北の1.6%だけで、他は全てマイナスだった。
中部▲0.4%、近畿▲0.3%、中国▲1.0%、関東▲1.3%、北陸▲1.8%、
九州・沖縄▲2.1%、四国▲3.1%、北海道▲3.9%という結果。

政令都市全体ではプラス1.2%、その他の地域は▲1.0%となり格差が生じている。

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しかし、厳しい状況の中、好調業種として挙げられたのは、テナントは飲食店、キーテナントは生鮮三品及び加工食品。年末恒例の宴会需要や、ボーナス月でもある12月は、家族でいつもよりリッチな外食をするなど衣食住のうち「食」にこだわる傾向がみられた。

また、政令都市の福岡市、北九州市の好調をみるとインバウンド効果も強いことがわかる。
JNTO(日本政府観光協会)発表によると、12月の訪日外客数の結果前年同月比プラス43.3%、177万3000人で、これまで過去最高であった2014年の123万7000人を53万7000人上回った。

2015年1年間の結果もでたが、訪日外客数は、前年同月比47.1%増、1973万7000人。統計開始以降、過去最大の伸び率だった。そして1970年以来45年ぶりに訪日外客数が出国日本人数を上回った。社会情勢が不安定な現在、2016年もこの傾向は続きそうだ。

12月はコンビニは別として、百貨店、スーパーマーケットと同様にショッピングセンターもやはり天候不順、暖冬の影響を受け、冬物衣料にマイナスの影響を及ぼした。しかし年末という特別な需要も助けとなり、「食」の分野が健闘した。

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