日経「第46回小売業調査」値下げ・増税で悩み
1位 イオン年商 5兆6853億円、
2位 セブン&アイ・ホールディングス(HD)
4兆9916億円。
今日26日、日経MJ紙上で2012年度の小売業調査が発表された。
この調査は、
小売業を営む店舗を持つ企業および協同組合1558社が対象。
有効回答数は727社。
イオンは前年度比8.8%プラスで2年連続の首位。
セブン&アイHDも前回と変わらず2位。
今回から調査対象に加えられたアマゾンジャパンが
同18.6%プラスの7300億円で10位にランクインしたほか、
前回9位だったユニクロのファーストリテイリングが
同13.2%増の9287億円で7位にランクアップした。
あらためて、
2012年度小売業ベスト10。
①イオン 5兆6853億円〈前年比8.8%プラス〉
②セブン&アイ・ホールディングス 4兆9916億円〈4.3%〉
規模の面で断トツの両ホールディングカンパニーは、
抜きつ抜かれつ。
来年はイオンがダイエーを加えるから、
ちょっと差がつく。
③ヤマダ電機 1兆7014億円〈▲7.3%〉
ヤマダ電機は売り上げ激減で、
2兆円を切った。
④三越伊勢丹ホールディングス 1兆2363億円〈▲0.3%〉
⑤J・フロントリテイリング 1兆0927億円〈16.1%〉
⑥ユニーグループ・ホールディングス 1兆0302〈▲4.5%〉
J・フロントはパルコの全株式を取得し、持分法適用会社とし、
それによってユニーとの順位が入れ替わった。
⑦ファーストリテイリング 9287億円〈13.2%〉
9位から7位にランクアップ。
勢いは止まらず。
来年は1兆円企業となる。
⑧髙島屋 8703億円〈1.4%〉
⑨ダイエー 8312億円〈▲4.4%〉
来年はイオンに加算される。
そして、
⑩アマゾンジャパン 7300億円〈18.6%〉
象徴的なベスト10だ、
来年もまだまだ変わっていく。
ただし50位までのランキングのなかで、
重要な企業が抜けていた。
ダイソーの大創産業㈱と㈱万代。
だから残念ながら、
第49位のサミット㈱、第50位の㈱ヤオコーは、
今年は第51位、52位となってしまう。
さて、その日経MJ。
一面トップの見出しは「スーパー『値下げ疲れ』」。
スーパーマーケットだけで見ると、
「価格引き下げ派」の企業が3割以上に達し、
特売で顧客を誘導する「ハイ&ロー」戦略で価格競争も激化している。
しかし、この安売りでスーパーマーケットの営業利益は12.9%減。
本業の儲けを圧迫している。
専門店では「脱・安売り」に取り組む企業もあるが、
スーパーマーケットでは、プライベートブランド(PB)商品を除けば
商品自体での差異をつくりづらい。
それでも、原材料高や円安による商品調達価格の上昇圧力への対応は
待ったなしの状況だ。
さらに、2014年春の消費増税を控え、
増税後の消費マインド低下にも備えなければならない。
「増税分はそのまま転嫁できない」(セブン&アイHD鈴木敏文会長)
「増税後は相当厳しい状況になる」(イオン岡田元也社長)
こんな声が聞かれる中、
増税後の価格表示に悩む状況が浮き彫りになっている。
「まだ考えていない」と回答した企業は全体の47.5%に上り、
対応を決めかねている状況が見て取れる。
ちなみに、
現在の「総額表示」を維持すると回答した企業は22.1%、
2017年3月末までの時限立法で可能となった「外税表示」は12.6%だ。
値下げ競争の疲弊と、値上げ圧力。
一方で、増税に伴う消費者の価格コンシャスの高まり。
今夏は、この相反する2つの力の中で、
自社のポジションを見極め、決定する重要な時間となる。
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