イオンnews|「ウナギ取り扱い方針」によって持続可能な商品調達を目指す

イオン(株)(千葉市美浜区、岡田元也社長)は6月18日、「ウナギ取り扱い方針」を策定したと発表した。ウナギ資源の枯渇防止に貢献するとともに、日本伝統の食文化を次代に残すべく、その持続可能な調達に向けて取り組む。

土用の丑の日には欠かせないウナギだが、近年、世界的に絶滅危惧種となっている。ウナギの世界⽣産量の90%以上は養殖であり、天然の稚⿂である “シラスウナギ” を採捕し育てることで成り⽴っている。ウナギの場合、完全養殖は商業的には流通していない。ところが、そのシラスの採捕が年々難しくなってきており、結果的にウナギの流通量も減ってきている。

この厳しい現状に立ち向かうべく、イオンは「ウナギ取り扱い方針」を策定した。

「イオン ウナギ取り扱い方針」は、以下の4つ。
第1に、「ニホンウナギ」と「インドネシアウナギ」の2種類を販売する。
第2に、2023年までに100%トレースできるウナギの販売を目指す。
第3に、「インドネシアウナギ」の持続可能性を担保するため「インドネシアウナギ保全プロジェクト」を推進する。
第4に、ウナギ以外の原材料を使用した「蒲焼き」の商品開発を進める。サバや豚肉を使った蒲焼きは昨年から販売しており、売上げは好調だった。

イオンは2006年に、「MSC認証」(海のエコラベル)商品の取り扱いを開始した。これは持続可能で適切に管理され、環境に配慮した責任ある方法で漁獲された天然水産物を認証する仕組みだ。さらに、2014年には、「ASC認証」を取得した商品を、アジアの小売業で初めて販売している。こちらは環境や社会に配慮した養殖場で生産された水産物の認証である。

また、2014年には「イオン持続可能な調達原則」を策定した。この原則は、自然資源の持続可能性と事業活動の継続的発展の両立を目指してしている。昨2017年にはこの原則に基づいて、水産物はもちろん、農産物、畜産物、紙・パルプ・木材、パーム油に関する「イオン持続可能な調達方針」、および「持続可能な調達2020年目標」を発表した。

そのうえで今回新たに「ウナギ取り扱い方針」を定めて、持続可能な裏付けのあるウナギの調達へギアチェンジを図る。そのために「インドネシアウナギ(ビカーラ種)保全プロジェクト」に取り組む。

この保全プロジェクトにおいて、ウナギでは世界初となるFIP(漁業改善プロジェクト)をインドネシアで本格的に開始し、シラスウナギ採捕の「MSC認証」取得を目指す。また、このプロジェクトによって蓄積されるノウハウを、「ニホンウナギ(ジャポニカ種)」の管理へ応用することも検討している。

FIP(Fishery Improvement Project)とは、漁業者、流通業者、NGOなどさまざまな関係者が協力して、持続可能な漁業を目指して取り組むプロジェクトだ。「MSC認証」の基準に基づいて予備審査を行って、特定された課題を解決するための改善計画を作成する。定期的なモニタリングによって計画を見直しながら、継続的に改善を行うことで、「MSC認証の」取得を目指す。

イオンが取り組むFIP「インドネシアウナギ保全プロジェクト」の技術的サポートを行うのは、公益財団法人世界⾃然保護基⾦ジャパン(WWFジャパン)である。

 

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