PPIHnews｜生産者とPPIHのパートナーシップ組織｢PPIC｣を発足

(株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都目黒区、吉田直樹社長、PPIH）は10月23日(金)、日本の農畜水産物の輸出拡大に向けて、生産者とPPIHグループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club(PPIC：ピック)」を発足させた。

国内は少子高齢化の進行によって、農畜水産品などの市場が年々縮小する傾向にある。一方で、世界の「食」に関する市場規模は拡大傾向にあり、とくにアジア圏における市場規模は人口増加や富裕層の増加によって大きく拡大している。しかも、日本の「食」はアジア圏を中心に世界中で人気があることから、輸出拡大は生産者の所得を向上させる戦略の一つとして重要視されている。

しかしながら、農畜水産物の輸出に当たっては、各国にさまざまな法規制が存在するほか、日本の生産者自らが独自に海外市場のニーズを把握し、安定的な輸出量を見極めることは非常に困難であるというのが現状だ。

PPIHグループはこうした現状に着目し、全国の生産者が安定的に輸出を拡大していくことを支援するほか、品質の高さに定評のある日本の「食」を、海外でも手に入れやすい価格で提供できる環境を整備するために、このパートナーシップ組織を発足するに至った。

PPICは、PPIHグループの海外店舗に対して輸出を希望する生産者や関連団体で構成する会員制組織である。PPICの会員は、PPIHグループとの定期商談や直接取引契約が可能となり、安定した出荷先の確保につながるほか、市場や環境に左右されない出荷価格の安定が期待できる。さらに、海外マーケット情報が提供されるため、作付け・製造の計画が立てやすくなるといったメリットもある。他方、PPIHグループには、PPIC会員を増やし、輸出協力を仰ぐことなどによって、年間を通して安定した品質・数量・価格で商品を仕入れられるメリットがある。

PPICは、まず生鮮食品から取り組みを開始し、順次、加工食品や非食品などへ範囲を拡大する。将来的には国内の一次産業者・二次産業者が集う会員組織へ発展させていく計画だ。政府・自治体などとも連携し、PPIHグループは2030年に海外輸出額3000億円を目指す。

PPIHグループの海外事業は、米国内に38店舗を展開する。そのほかに、シンガポール・香港・タイにおいて、｢DON DON DONKI」を13店舗展開している。このフォーマットは、日本製もしくは日本市場向けの商品を低価格で提供する「ジャパンブランド・スペシャリティストア」をコンセプトとしている。サツマイモ・桃・イチゴなどの農産物や、和牛などの畜産物、マグロ・ウニ・ホタテなどの水産物を中心とした日本の「食」が大変人気を博している。