ツルハnews｜ID-POS情報と動線データで店内顧客行動実証実験を実施

(株)ツルハ(北海道札幌市、八幡政浩社長)は、(株)サトー(東京都目黒区、小沼宏行社長)と共同で、店舗内の顧客の動線データを取得し、店舗レイアウトやマーケティング、プロモーションなどに活用する実証実験を実した。

消費者の購買行動は、オンラインでは解析ツールなどを用いて詳細な把握が進んでいる。一方で、オフライン(実店舗)では、どのような人が店舗内のどの場所を歩いて、どの商品と比較して購入した、またはしなかったのかといった、インストアの消費者行動を把握することは、伝統的な追跡調査しかなかった。

今回の実験では、実店舗内での消費者の動線データとツルハドラッグのID-POSデータをひも付けし、これまで把握が難しかった「商品を買わなかった人たち」も含めた来店客のデータを取得して分析した。ID-POSの情報と一筆書きの動線データの突き合わせ分析は業界初だ。

実験の概要は以下の通り。
まず、店舗の天井にセンサー受信機を設置し、買物カゴにセンサータグを取り付けて来店客の動線データを取得した。動線データの取得には、(株)サトーが開発した高精度位置測位技術「Quuppa」を使ったソリューションを利用した。50㎝単位での精緻な位置測位を行うため、来店客がどの棚やレジを通過したかまで把握できる。

次に、一筆書きの来店客の動線データと ID-POSデータを突き合わせ、店舗レイアウトや都市型店／郊外型店の違いによる行動差などを分析した。店内に設置したデジタルサイネージに、メーカーの広告コンテンツなどを配信し、購買行動の変化も調べた。サイネージは、大日本印刷(株)が提供した。

7月～10月の期間、｢ツルハドラッグ 南品川店」(東京都品川区)と「ツルハドラッグ 川崎下麻生店 」(神奈川県川崎市)で実施した。

参加企業はツルハのほか、キリンホールディングス(株)、キリンビバレッジ(株)、キリンビール(株)、ユニ・チャーム(株)、ライオン(株)、(株)ロッテ、(株)サトー、大日本印刷(株)。業界の垣根を越えてリテール分野でのAI技術活用を推進する、一般社団法人リテールAI研究会の活動として行った。