日生協news|コープ福祉機構/基本報酬引き下げで事業利益赤字に
日本生協連(東京都渋谷区、土屋敏夫代表理事会長)が2022年に設立した一般社団法人全国コープ福祉事業連帯機構(略称:コープ福祉機構)は、2024年の介護報酬改定による訪問介護の基本報酬の単価引き下げの影響や、業界全体で介護職員の人材不足が叫ばれる情勢に鑑みて、福祉事業規模が上位で、地域の在宅利用者を中心に訪問介護事業を展開する14社員法人(11都府県)を対象に事業状況を把握するため、緊急のアンケート調査を実施した。7月1日~15日に14生協127訪問介護事業所に対してWebで行われた。
14社員法人合計の2024年4、5月の累計実績について、事業収入は前年同月比-1.3%悪化した。事業利益段階では黒字から赤字へ転落。14社員法人で計4075万円の減益になった。
直行直帰型ヘルパーの人材不足が顕著になった。14社員法人合計では、前年5月と今年5月時点の比較で162人(-7.2%)減少した。人材不足によりサービス提供回数も減少が見られる。
基本報酬引下げの影響が見られる。新処遇改善加算支払前であるため正確にはわからないが、収入はマイナスになると思われる。そのことが訪問介護員の働く意欲の低下につながっている。
また、ヘルパー、サービス提供責任者の高齢化により、5年後の事業を見通すことが困難で、このまま大胆な処遇改善を図ることができなければ、訪問介護事業の縮小も視野に別サービスへの転換も検討しなければならない。
人材不足により、14社員法人中11法人で人材紹介会社を活用せざるを得ない状況に陥っている。1人当たり年収の約20~30%の紹介料負担が発生する。必要な人材を補うための負担が大きい。