円安値上げの夏 製造業・小売業・消費者の心
円安がじわじわと家計を圧迫し始める。
アベノミクスによる円安・株高で、
ようやく消費者のマインドが改善し始めたが、
今度はその円安が逆効果になりかねない。
食品メーカー各社が、
円安と原料高騰の影響を吸収しきれず、
相次いで値上げに踏み切る。
【はごろもフーズ】
5月から「シーチキン」ブランドの缶詰16アイテムを
約2.2~6.1%値上げ。
また、6月から「シーチキン」ブランドの一部製品については
減量による実質値上げ。
【キユーピー】
7月から家庭用マヨネーズ等を約2~9%値上げ。
【日本ハム】
7月から家庭用と業務用のハム・ソーセージ 89品目、加工食品 62品目を
減量して約5~11%(平均8%)の実質値上げ。
【日清製粉】
7月から家庭用小麦粉を約2~7%、家庭用パスタソースを約9~11%値上げ。
【山崎製パン】
7月から食パン「芳醇」「モーニングスター」などを3~6%、
菓子パン「ミニスナックゴールド」「高級つぶあんパン」などを2~6%値上げ。
ここに挙げただけでも5社。
今後、これらの動きに追随して、
値上げを行うメーカーがさらに増えるだろう。
2007年にも、食品メーカーの大規模な値上げがあった。
理由は、世界的な小麦の凶作、
バイオ燃料消費の増加、
さらに新興国需要の拡大など。
当時、イオンは
マヨネーズや食用油を自社開発のプライベート・ブランド(PB)で
ナショナル・ブランド(NB)より2~3割安い価格で販売した。
これをきっかけとして、PBの存在感が高まった。
前回は、大手小売企業がそのバイイングパワーによって、
メーカーの値上げ圧力を抑えた。
しかし、今回は単なる原料高ではない。
円安という異なる要因が加わっている。
エネルギー価格が上がって、飼料も高くなれば、配送費用も増加する。
来春以降は消費増税も控える。
金利の先高観と合わせて、
企業、家計を取り巻く状況は厳しさを増している。
小売業やサービス業は、
顧客、消費者といちばん近いところにいる。
それがポジショニングである。
だからこそ、この生活の厳しさ、
ビンビンと感じとらねばいけない。
そしてどう対処するか。
ここが知恵の絞りどころだ。
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