イオングローバルSCMと花王がトラックの中継輸送開始
イオン株式会社(代表執行役社長:岡田元也)の連結子会社で物流を担うイオングローバルSCM株式会社(代表取締役社長:山口緑)と花王株式会社(代表取締役 社長執行役員:澤田道隆)は6月7日(火)より、関東⇔中部間において異業種企業間では初めてとなる国内初のトラックによる中継輸送を開始する。
具体的には、関東と中部から両社のトラックがそれぞれ自社商品を運び、静岡県内の中継地点でトレーラー(積荷)を交換。受け取った積荷を相手企業の配送先へ輸送するというもの。
現行、両社とも一人のドライバーが、往復1泊2日の長距離輸送を担ってきたが、今回の中継輸送によりドライバー1人当りの拘束時間は12時間以内となり、日帰り勤務が可能となる。また往路による積載不足が解消され実車率が向上するため、運行本数も削減される。
その結果、全体として運賃コストは27%削減、CO2排出量は約12%の削減が見込まれる。
イオンでは2011年に「イオンサステナビリティ基本方針」を発表。「グループの成長」と「社会の発展」を両立させる「サステナブル経営」の実現を目指しているが、低炭素社会の実現のため、店舗や商品・サービスでのCO2削減の取り組みのほか、物流においてもさまざまな活動を実施。その一環としてイオングローバルSCMではローコストによるロープライスの実現やCO2の排出量削減など、環境配慮型の物流を推進している。
今回のトラック中継輸送の取り組みは、効率的な輸送体制よる環境負荷の少ない物流システムの構築を目指したもの。
一方の花王は、2009年に、エコロジーを経営の根幹に据え、「環境宣言」を発表。原材料の調達から、設計・製造・輸送・使用・廃棄まで、製品のライフサイクル全体を通じ、環境負荷を低減する”よきモノづくり”を推進している。この取り組みの一環として、サプライチェーン全体での連携を目指し、CO2排出量削減のため取引先との共同配送を実施してきた。
イオンと花王は共同サプライチェーンマネジメント改革の長い歴史を持つ。まず、1990年代には受発注の電子化「EDI(電子データ交換)」において協業を試みた。さらに2014年には東京・福岡間の商品輸送について、鉄道コンテナによる共同往復利用を展開している。それらの経緯を踏んで、今回の「トラック中継輸送」となったわけだが、両社のサステナビリティや環境対策への思想が合致しての協業である点がもう一つの重要なポイントである。
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