西鉄ストア、コンシェルジュサービス導入
食品スーパーにも
新たなサービスが必要になってきた。
福岡が地盤の西鉄ストアが、
今夏から接客専門の店員「コンシェルジュ」を配置する。
日本経済新聞電子版地域ニュースの記事が伝えた。
これまで店内の接客業務は
レジチェッカーや品出し作業に当たる従業員が行ってきた。
今回導入するコンシェルジュは、
調理法やアレルギー物質の有無といった商品内容の説明のほか、
当日のお買い得商品、質の良い生鮮食材の見分け方等の情報提供、
さらに荷物を運ぶ手助けなども担当する。
まず、福岡市や北九州市の大型店5店舗に1人ずつ配置する。
高齢者の介助などに関する専門知識・技能を持った社員を充てる。
「サービス介助士」資格取得者など、
接客技術を磨いた30~50代の男女。
来店客の反応がよければ、他店へサービスを拡大することも検討する。
食品スーパーマーケットはいま、
ディスカウントストアやドラッグストアなど
他業態との激しい価格競争の中にある。
コンシェルジュ導入は、
買い物支援サービスよって価格以外の要素で差別化して、
固定客獲得につなげることが目的。
マーケティングの大家フィリップ・コトラーは
製品やサービスの中核をなすベネフィット、
つまり顧客のニーズを満たす基本的な機能によっては
もはや他製品・サービスと差別化ができなくなったとき、
付随する機能を付加することを説いている。
それに従えば、
今回のコンシェルジュ・サービスは定石どおりといえる。
しかし、一方でコトラーは、
ホテルの利用客は「休憩と睡眠」を、
ドリル購入者は「穴」を買っているのだと述べている。
食品スーパーマーケットの利用客は何を買っているのか。
生鮮食品、日配品、加工食品、菓子、冷凍食品、惣菜、
酒、ベーカリー、日用雑貨、エトセトラ、エトセトラ。
そして素材から惣菜への大潮流。
アメリカのウェグマンズが、
ミールソリューションに先鞭をつけ、
今、本格的なレストラン併設を図るのは、
ウェグマンズのアイデンティティによるものだ。
西鉄ストアのコンシェルジュ・サービス。
一時のものではなく、
わが店、わが企業のポジショニング戦略になるくらいに高めてほしいものだ。
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