公取委「増税前値下げ要請の違反行為」示唆
消費増税を控え、
水面下で値下げ要請が始まっている。
公正取引委員会が、
大規模小売業者による納入業者の買いたたきを懸念して、
2013年3月から4月にかけて調査を実施した。
大規模小売業者とは売上高70億円以上の企業。
故渥美俊一先生が、ビッグストア企業を50億円以上の年商企業とした。
まったく余談だが、感慨深い定義だ。
一方、納入業者は、
大規模小売業者に継続的に商品・サービスを納めている者をいう。
調査対象は大規模小売業者2000社と納入業者5万社。
回答数は前者が1245社、後者が1万8971社だった。
2012年9月1日から2013年4月19日までの調査対象期間内に、
「納入業者に対して値下げ要請を行った」と
回答した大規模小売業者は420社。
そのうち171社は
「今後さらに値下げ要請する予定」と回答。
一方、
「大規模小売業者から値下げ要請を受けた」
と回答した納入業者は1037社。
そのうちの11.3%にあたる117社が、
「消費増税を見据えた事前の要請だった」と回答。
今回の調査結果を公取委は次のように評価。
まず、第一に納入業者のうち約1割に当たる事業者が
消費税率引上げを見据えた事前の値下げ要請を受けた。
従って第二に、
消費税率引上げが近づくにつれ、
これを見据えたさらなる値下げ要請が増加し、
納入業者に不当に不利益を与える行為が
多発するおそれがある。
こうした行為は、
独占禁止法や下請法の違反行為に
該当するおそれがある。
消費税の転嫁を拒む行為を防止するための
消費税転嫁対策特別措置法が
10月1日から施行される。
従って、
同法違反行為にも該当するおそれがある。
公取委は、悪質な違反に対しては本格的な調査に乗り出すとしている。
極めて重大な法律違反の可能性を、
公正取引委員会が示唆したことになる。
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