イオンリテールnews|AI活用の支援システムを全360店舗に実装/今春完了
イオンリテール(株)(千葉市美浜区、井出武美社長)は今春、AIによる「ワークスケジュール自動作成機能」と「新・販売計画支援システム」を「イオン」「イオンスタイル」など全360店舗で実装することで店舗業務を一貫してサポートする仕組みを完成させる。食品部門では2023年8月から先行実装されていたが、全部門への実装を完了させるもの。
「ワークスケジュール自動作成機能」は、2022年に実装した「AIワーク」の機能拡張として、AI学習により各従業員の時間帯ごとの作業割り当てを自動化するもの。従業員の勤務シフトやスキル、時間帯ごとの必要業務などに基づき、 “瞬時に”“自動で”“抜け漏れなく”作業割り当てを行う。既に導入している一部の部門では、ワークスケジュールの作成時間について半減~8割減の効果が出ている。4月21日から全部門で実装する。
今春、実装する「新・販売計画支援システム」では、販売計画の作成を半自動化し、作成時間が導入前の8分の1に短縮されるほか、タブレット端末で計画の確認や編集ができるようになり、現場確認を含めた進捗管理や従業員同士のコミュニケーションがよりいっそう円滑になっている。
これらの実装によって、イオンリテールが2020年以降に実装したシステムで創出できる人時は年間約200万人時となる。固定業務を削減した分、接客や売場での創意工夫など、顧客満足に直結する業務を増やすことで、店舗の提供価値を高める。
また、店舗DXにより、シフト作成や発注、値引き業務に対しAIを取り入れたところ、精度が高まり固定業務が削減されただけでなく、AIの提案をベースにもう一段、精度を高める考え方が生まれたり、改善活動へのモチベーションが高まるなど、さまざまな効果が出ている。
DXを省人化のためではなく、約12万人の従業員がそれぞれの能力を十分に発揮し生き生きと働くための取り組みと位置づけ、店舗の価値をよりいっそう高めていく。