三井不動産news|全社員にChatGPT/「社長エージェント」「資料生成」に活用

三井不動産(株)(東京都中央区、植田俊社長)は10月1日(水)からChatGPT Enterpriseライセンスを取得し、全社員約2000人の活用を進めている。

生成AI活用による生産性向上と付加価値向上の両立を目指したもので、全社85部門・150名の「AI推進リーダー」が主体的に、現場起点による独自AIプロダクトである「カスタムGPT」を順次開発・運用を開始している。利用開始から約3カ月で500件のカスタムGPTが運用中、今後全社で業務削減時間10%以上を目指す。

現在、内製AI開発環境では「社長AIエージェント」「DX本部長AIエージェント」「資料自動生成AI」など、三井不動産の業務・文化に特化したプロダクトが順次開発され、全社展開している。「AI推進リーダー」は、11月に実施した対面での研修を経て、Microsoft Teamsでの情報発信や有志による共有会等を通じて、現場のノウハウやアイデアを全社へ共有していく。

また、各部門の実務を深く理解した上で、実際の業務で活用できるカスタムGPTの作成やユースケースの発掘、部門内への啓蒙、効果測定など幅広く担い、AI活用を促進する重要なハブとして機能させる。こうした体制で、現場ニーズに即した「使える形」のAIソリューションを創出することで、全社的な生産性と付加価値の向上を目指す。

12月から全社トライアル利用を開始した「社長AIエージェント」では植田社長の公開情報や過去の経歴・発信内容に加え、キャリアの転機となったプロジェクト、プライベートなエピソードなどを取り込むことで、社長の「ものの見方・考え方」を立体的に再現する。社員は、社長の視点から全社戦略や市場環境を理解し、社長をより身近に感じながら日々の判断・行動に活かすことができる。全社員が生成 AI に自然に触れ、業務での活用を広げていくための起点として、経営と現場をつなぐ新たな基盤を目指す。

10月からDX本部内で利用を開始した「DX本部長AIエージェント」は宇都宮DX本部長の性格や考え方、DX本部としてのミッションなどをデータとして保有し、共感モードや資料レビューモードなど6つのモードで日常の相談から説明資料の磨き込みまでをサポートする。実際の本部長説明前に、エージェントからの事前資料レビューとその公開をDX本部内にてルール化している。この取り組みで、本部長の意向との不整合による手戻りが減少し、DX本部員の資料作成・修正にかかる時間を平均で約30%削減するなど、業務効率化にもつながっている。

「資料自動生成AI」は2025年12月から全社利用を開始した。社内向け説明資料や提案書などのスライド構成をテキスト入力するだけで、PowerPoint形式の資料を自動生成するエージェント。スライドごとに、レイアウト変更や文言のリライトを自然言語で指示でき、対話しながら内容をブラッシュアップしていくことができる。
三井不動産は今後、経営意思決定の高度化や現場の人手不足解消、データ分析との連携等へ、生成AIの適用範囲を段階的に広げていく。

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