総合スーパーTesco Extraの新コンセプト
イギリス最大の小売企業、Tesco テスコ。
Fortune誌Global500にランクインしている小売企業では
ウォルマート、CVSケアマーク、カルフールに次いで、
世界第4位。
そんなテスコの強みと言えば、
積極的な海外進出戦略や
プライベートブランドの豊富さ、
そしてさまざまな店舗フォーマット、
つまりマルチ・フォーマット戦略。
主なフォーマット。
ハイパーマーケットのTesco Extra、
大型スーパーマーケットのTesco Superstore、
小型スーパーマーケットのTesco Metro、
そして超小型ミニスーパータイプのTesco Express。
この中で、一番大型サイズのTesco Extra が、
フォーマット転換の局面を迎えている。
近年、大手小売業では店舗の小型化、
Express Storeブームが起こっている。
ウォルマートもターゲットもカルフールも、
それぞれ小型店ビジネスに参入している。
一方で、単なる物販機能を強化した店舗の大型化は意味がない。
大きな店舗に来店したくなるような要素をプラスアルファする。
それがTesco Extraの新しいコンセプト。
来週、新装開店するTesco Extraワットフォード店。
イギリスのthe guardianの報道。
さて、新生Tesco Extraは今までとどのように違うのか?
まず、3月に買収したレストランチェーン、
Giraffeが初めてテスコの店内に入居する。
キッズメニューの充実したファミレスで、
家族連れを呼び込む。
さらに、ネイルサロンやヘアサロン、
地域の団体が自由に使用できるコミュニティ・スペース、
テスコ傘下のコーヒーショップ Harris + Hooleと
ベーカリーショップ Euphorium bakeryがテナントとして入る。
今後、スポーツジムや子供用の大型プレイゾーン、
スポーツウェアのSports Directもできるかもしれない。
テスコUKの幹部、Chris Bushはこのように語った。
「過去に大型ハイパーマーケットが支持されてきたのは、
ワンストップ・ショッピングが便利だったから。
しかしインターネットの普及により、
それがすべて変わってしまった」
だから新しいTesco Extraは、
非物販ばかりを強化する。
いわゆるサービス機能の充実である。
「必要なものは家にいながら購入できるし、
普段の買物は近くのコンビニで済ませる人も増えている。
だからこそ、私たちは,、
お客さんがわざわざ来店するに値する店づくりをしなければならない。
ただ買物をするだけでなく、
店内で様々な経験をしてもらいたい」
なお、テスコCEOのPhilip Clarkeは
今後、7500㎡以上の店舗は
つくらないだろうことを明言している。
大型「物販」店舗時代の終焉は、
目前まで迫ってきている。
インターネットの影響力は計り知れない。
日本の総合スーパーの方向性の一つを、
Tesco Extraのニュー・バージョンが示唆している。
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