クローガーnews|ウォルグリーンとの2つの協業で24兆円規模の同盟強化
アメリカ最大のスーパーマーケット企業クローガー(米国小売業ランキング5位)とドラッグストア国内トップのウォルグリーン・ブーツアライアンス(米国小売業ランキング6位)は12月4日、2つの協業を発表した。これは今年10月に発表された、オンライン注文商品をお互いにピックアップする業務提携に続くアライアンス(同盟関係)の強化である。
【結城義晴の述懐】アメリカでは小売業ランキング第2位CVSヘルス(国内小売業ランキング第7位)と第8位のターゲットがアライアンスを組んでいる。ターゲット店内の調剤薬局やクリニックをCVSヘルスのCVSファーマシーが担当するという協業だ。これはウォルマートおよびアマゾンへの対抗措置だが、それに刺激されるようにクローガーとウォルグリーンのアライアンスである。CVSヘルス&ターゲットは単純合計すると2567億ドル(1ドル100円換算で25兆6700億円)、クローガー&ウォルグリーンは2409億ドルクラス(同24兆円)のスケールとなる同盟で、5000億ドルのウォルマートに対抗できる規模となる。小売業ランキングベスト10以内の企業同士の提携と同盟によって、ますます上位集中の小売産業となってきた――。
クローガーとウォルグリーンの2つの協業を見てみよう。
ウォルグリーン店内に「Kroger Express」を設置
ウォルグリーンの店内に「Kroger Express(クローガー・エクスプレス)」売場を設置し、NB商品をはじめ、クローガーのオーガニックPB「Simple Truth(シンプル・トゥルース)」を含む各種PB、「Home Chef(ホーム・シェフ)」ブランドのミールキット、青果、精肉、デアリー、冷凍食品など、約2300品目のグロサリーを販売する。これらの取扱商品はクローガー子会社のデータ分析会社「84.51°」が、クローガーの顧客購買データをベースに選出している。
実験はクローガーの本社があるオハイオ州シンシナティ市にもほど近い、ケンタッキー州北部に位置する13店のウォルグリーンで実施される。まず年内にケンタッキー州フローレンスで実験を開始し、残りの12のパイロット店舗は、来年初めから稼動させていく。ちなみにこの13店舗は、オンライン注文商品ピックアップによるワンストップショッピング実験と同じ店舗である。
「Home Chef」のミールキットをシカゴ地区の65店舗で発売開始
シカゴ地区のウォルグリーン65店舗で「ホーム・シェフ」ブランドのミールキットの発売を実験的に開始した。ホームシェフはミールキット提供の専門業者で2018年5月にクローガーに買収されている。
ウォルグリーンの店内に設置された「ホームシェフ・エクスプレス」コーナーでは、1箱2食入りのキットが1食当たり8ドル50セントで販売されている。 実験期間中は3種類のキットを提供し、2週間ごとにキットの種類を入れ替える。
シカゴ市内では、「マリアーノス」などのクローガー傘下のスーパーマーケットですでに、「ホーム・シェフ」のミールキットは販売されている。15分ほどで食事の準備ができるレシピ付きの簡便料理キットは、忙しいシカゴの人々に重宝されそうだ。
(画像はすべて:Krogerプレスリリースより)