ウォルグリーンnews|第1Q増収増益も既存店売上高は調剤を除き3.2%減

米国ドラッグストアチェーン第1位のウォルグリーンが、11月30日で終了した2019年第1四半期決算を発表した。

売上高は337億9300万ドル(1ドル100円換算で3兆3793億円)で、前年度比9.9%の増加だった。営業利益は6.1%増加して14億ドル、純利益は36.8%増加して11億2000万ドルの増収増益。これが1年の4分の1の期間の実績だからすごい。

ドラッグストアも一部展開する企業でトップはCVSヘルスだが、それを言えば、ウォルマートが一番となる。ドラッグストア業態でナンバー1はウォルグリーンだ。ヨーロッパのアライアンス・ブーツと経営統合して、欧米をまたにかける巨大なドラッグストアチェーンとなった。

1株当たりの利益は前年度比45.7%増の1.18ドルだった。
売上高対比の営業利益率は4.1%。

部門別では、国内の薬局の売上高が14.4%増加して、257億ドルとなった。ただし、店舗を買収したライト・エイドの売上げを除くと4.8%増にとどまる。そのライト・エイドの会社のほうはアルバートソンに買収されてしまった。

ウォルグリーン全体の74.4%を占める調剤薬局の売上高は17.5%増、そのうち既存店売上高は2.8%増、処方箋数は予防接種を含めて11.4%増加した。調剤市場でのシェアは1.8%増加して、22.4%となって、当然ながら17%のクリティカルマスを超えている。

小売店売上高は6.0%増加したが、既存店売上高は3.2%減少した。これはタバコなど特定の商品の販売を縮小したためと考えられる。2014年10月にライバルのCVSヘルスがタバコとたばこ関連用品の販売を停止して、ウォルグリーンにも嫌煙家たちや行政、地域コミュニティからのプレッシャーがすごい。そこでたばこの販売は縮小傾向にある。

国際部門の小売店売上高は5.9%減少して29億ドル、為替の影響を除くと3.6%の減少だった。薬剤卸部門の売上高は0.2%減少して57億ドル、為替の影響を除くと6.6%の増加となる。

同社は新たに経費節減プログラムの3年計画を導入する。終了時には10億ドルの節減を見込んでいる。部門ごとの適正化、全社でのデジタル化、長期的な成長計画なども含まれている。リストラも計画されており、主にチリ、メキシコの医薬品卸売事業と薬局の閉鎖などが行なわれる予定だ。

経営の無駄を省いて競争激化に耐える組織を創造しようとしている。この発表後、同社の株価は5%以上下がっている。ドラッグ・ストア業界は、ディスカウント・ストア業界などと比べると、まだまだ構造改革が遅れている。

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