Kroger年明けに新CEO就任 環境変化に対応
クローガーのデイヴィッド・ディロン(David Dillon)CEOが退任する。
20日、同社が発表。
来年の1月1日、つまり日本の元旦にロドニー・マクマレン(Rodney McMullen)COOが後任のCEOに就任する。
伝統的なスーパーマーケット企業であるクローガーを取り巻く環境が、大きく変わっている。コンビニエンスストアやダラーストアの台頭。オーガニック食品で急成長を遂げたホールフーズ マーケットの存在。もちろん、最大のライバル巨人ウォルマートの動き。
競争環境の変化によって、世界最大の食品小売りチェーンA&Pをはじめ、伝統的な食品小売企業数社が会社更生法の申請に至った。
クローガーは10年前にイギリス・テスコのデータ分析子会社ダンハンビーと組み、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)による顧客データ分析で復活した。
そのおかげで、クローガーはこの10年間、既存店売上高が39期連続増という記録的な成長をしている。CEOを退任することになったディロン氏は、ちょうど10年前の2003年にCEOに就任し、クローガーを現在の成功に導いた。ディロンCEOは37年前の1976年の入社で、62歳のベテラン。CEOを退いた後も、2014年末まで会長としてとどまる予定だ。
一方、新CEOに就任する予定のマクマレン氏は53歳。1978年にクローガーに加わったので、ディロン氏の2年後輩にあたる。2009年からCOOのポジションにある。
マクマレン新CEOの最初の大仕事は、7月に24億4000万ドル(約2440億円、1ドル100円換算)で買収を表明した高級スーパーマーケット「ハリス・ティーター」の円滑な統合だ。
20日のウォールストリート・ジャーナル電子版によれば、そのマクマレン氏が強調するのは、新しいコンシューマー・テクノロジーの重要性。特にスマートフォン用のモバイル・アプリケーションに注目する。
クローガーのアプリは、アップルのアップストアでダウンロード件数上位2%に入る人気。ダンハンビーと取り組んだクローガーのデジタル対応は他社の先を行くが、それでも「競合も始めようとしている」と気を引き締める。
一方、退任予定のディロン現CEO。
「10年前からスーパーマーケットの新時代が始まった」
これは、生活者がスーパーマーケットだけではなく、インターネットをはじめ、さまざまな場所で食品を購入できるようになったし、またそうするようになったことを指している。
そしてディロン氏は、こういう変化の大きい時代には、企業は「新しい血を入れる必要がある」と説く。
ウォルマートに追随する立場でありながら、正面衝突せざるを得ない環境に追い込まれていた10年前。その厳しい状況から復活し、現在の長い成長軌道に乗ったクローガー。
「私たちはかなり早い時期に競争に巻き込まれたが、ほとんどのスーパーマーケットはそうではなかった」とディロンCEO。ウォルマートのエブリデーロープライスとの格闘のなかから、脱出口を見つけ出し、現在の軌道をつくったクローガー。他の多くのスーパーマーケットが準備不足のままにウォルマートに蹂躙された経緯を、ディロンCEOはよく知っている。
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