ギャップnews|スレッドアップと提携/4月から中古衣料市場に参入
米国のギャップ(カリフォルニア州サンフランシスコ市、アート・ペックCEO)は、スレッドアップ(thredUP)社と提携して4月から中古衣料市場に参入すると発表した。
対象となるのは同社傘下のギャップ、バナナ・リパブリック、アスレタ、ジェニー&ジャックで、不要になった衣料品を持ち込んでクレジットカードを使って買物をすると、15%分のペイアウトボーナス(払い戻し)が付与される。それぞれの店舗には、不要になった衣料品を入れる「クリーンアウト・バッグ」が用意される。
スレッドアップは、世界最大のファッション再販プラットフォーム。同社の年次再販レポートによると、ゴミ収集車1台分の使用済みの衣料が、毎秒、ゴミ焼却場かゴミ捨て場に送られている。2018年にはアメリカの成人女性の半分近い5800万人の女性が中古衣料品を購入したそうである。同社は、2019年には1億枚の衣料をリサイクルしたが、これは87万トンの二酸化炭素排出削減に相当する。
このビジネスは「Re-commerce(リ・コマース)」と呼ばれ、環境に優しいビジネスとして最近成長している。既にメイシーズ、JCペニー、ノードストローム、J.クルー傘下のメードウェルもスレッドアップと提携している。40店舗のメイシーズ、30店舗のJCペニー、6店舗のメードウェルでは実験的に中古衣料販売を行っている。
一方、ノードストロームは、ニューヨークに昨年末に開店した旗艦店に 「See You Tomorrow」と呼ばれるショップを新設した。そこでは、返品された商品を補修したり、洗濯したりして希望小売価格の50%ほどで販売している。また、中古衣料を持ってきた顧客には、ギャップと同じようにギフトカードを付与している。
コーウェン&カンパニーがまとめた2019年11月のレポートによると、中古アパレル市場は現在200億ドルと推定されているが、2022年までには330億ドルに達すると予測している。アメリカの衣料品、靴、アクセサリー市場の15%か~20%は過剰在庫になっており、そのうち10%は廃棄か寄付されているとも述べている。